博多力派演劇 南無サンダー「南無サンダーの芸術奪還夏の陣」@ぽんプラザホールを観た。
博多力派演劇(はかたちかっぱえんげき) 南無サンダー「南無サンダーの芸術奪還夏の陣」@ぽんプラザホールを観た。「公園がダメなら劇場にテント建てます企画」というサブタイトル。
劇団について、公式ページからの引用。
『南無サンダー』とは
優れた才能や知識、センスがなくても人に感動を与えられる事ができると信じ、安部将吾がたちあげた劇団。毎回とにかく体を張る、大声で叫ぶ、命を魂を燃やすを信条とした、安部将吾の生き様のような演劇が特徴。
そして今回の公演の紹介文がこちら。
創造モヨウ画家ヴドギラによるライブペイント!あかたろによる音楽ライブ!BBBと南無サンダーによる音楽演劇『勇者の宝箱』!芸術を奪還するために動きます!!
理屈じゃないんだというのが、伝わってくる。
会場に行くと、本当に劇場の中にテントが張ってあって、通常よりも一回り小さな空間に足を踏み入れることになる。ソーシャルディスタンスが求められているこの時期で、大丈夫かなと思っていたけど、もちろんテントの中で感染症対策は取られていた。ステージ部分と客席は十分な距離がとられていたし、客席も隣同士の間隔がとられていた。テントの主要部分に風穴を開けて、業務用扇風機を使って空気を通していた。そういったことを説明する主宰者のアナウンスもきめ細やかだ。
その中に腰を下ろすと、劇団がテントにこだわる理由がわかった。手作り感溢れるものに四方を囲まれて、落ち着いた。ミュージカルキャッツを上演するための会場は、猫世界にお客さんが入り込めるように、客席周囲を巨大なゴミオブジェが覆っている。今回の会場に入ってからしばらくして、初めてキャッツシアターに足を踏み入れた感覚を思い出す。
恨み節とも違う、橘いずみさんを思わせるような、心の中のもやっとしたものを元気よく歌い飛ばすような、あかたろさんの力強いピアノ弾き語りライブから始まって、投げ銭に夢中になり、からだの中のどこかがちょっと解放された気になる。
続いて、BBB(ビービービー)さんという、ギター二本と、ピアノとパーカッションのバンドの演奏が少しあって、音楽劇へと移る。このバンドが、ジャジーでかっこいいんだけど、この流れで「一休さん」のジングルが挟まって、ロールプレイングゲームを意識した感じの、中世ヨーロッパ風の男性が、角の生えた魔王を倒して、「がっはっは」と笑うシーンへと続く展開が、シュールだった。このシュールさなんかも、全部を包み込んで、問答無用に現象として納得させる力も、テントにあったんだと思う。
帰りは、ヴドギラさんという画家が作られた護符をもらって帰った。
「ライブの良さって、理屈じゃなくっていいんだよ。感じたろ?」みたいなメッセージを、勝手に受け取ったような、なんか、すがすがしい気持ちになれた。
撮影自由だったので、カーテンコールの写真を貼っておく。