トイレに関する雑文
福岡西方沖地震の時、トイレにいた。地震のときは、トイレの中が安全という話を聞いたことがあったから、妙に安心したのを覚えている。
小さい組織にいると、何でもかんでも自分でやる。
税務、労務、法務、用務と、本当に何でもやる。
それぞれを深く掘り下げるわけじゃないから、必要な表層の部分をさらっているだけなんだろうけど、十数年もやってるから、何かしら身についているみたい。
たまに身内の確定申告とかを手伝うこともある。
特にプライベートでも役に立っているのは、用務的なところ。
若いころに借りていたアパートの水漏れを自分で直そうとして失敗して、大家さんに怒られたことがある。キッチンの水栓器具の途中から水漏れをしていたから、ゴムのパッキンさえ替えれば解決と思って中を開けたら、すでに中身のステンレス部分が錆びていて、接続部が折れてしまったのだ。
大家に言わずに勝手にやって壊してしまったということで、修理代は自腹になった。それで、借りものの水回りに手を出すのに、恐怖心が芽生えた。
だけど、業務上はそうは言ってられないから、何かトラブルがあれば駆けつけて、当座の対応が必要になる。
トイレ回りは結構勉強になった。
ちょろちょろと水がタンク内にとどまり切れないときは、タンクの中のゴムフロートが劣化している可能性が高い。これの交換は、素人でもできる。業者を呼んだら数万円かかるようなものも、自分でやれば二千円くらいで済む。
便座がガタガタするのは、ただのビスの緩みだから、大抵は簡単に締められる。便座の後ろのほうの裏側、下から手を入れるから、場所柄、まぁあぁ勇気が必要だけど、プラスチック製の太めのビスがある。
トイレの仕組みは単純で分かりやすい。
とはいえ、タンクレスのトイレなど、まだ中を見たこともないような、ハイテクなものも出てきてるから、自動車のメンテができなくなったように、素人では全くお手上げみたいなことに、トイレもなったりするのかもしれない。
トイレの用務といえば、思い出した。
学生時代の話。大学のトイレに行ったら、滝のような音を立てて、大便器の水が流れっぱなしになっているのを見つけた。いつまでも止まらないから、学生課に話に行った。すぐに現場を見に行ってくれるものと思っていたら、なぜか事情聴取のような感じになった。学籍番号とか聞かれるのはまぁいいとして、その後はっきりと、「何をしてそうなったの」と聞かれた。なんかいろいろがっかりした。
親切心で教えてくれた人に、そんな思いをさせてはいけないと、逆の立場のときには、まず、現場に足を運ぶようにしている。第一発見者を疑うのは、理にかなってないこともないから、いいんだけど、それをあからさまにするのは、理にかなってない。
せめて善意を踏みにじらないような振る舞いを心掛けたい。