僕がGoogle「#近所は宇宙だ」に賛同する理由(後編)
情報があまりに多過ぎた
近所の新しい楽しさや驚き、予想以上の体験を見つけられるのではないか。近くにあるお店や会社などのスモールビジネスを、もっともっと多くの方が支援できるのではないか。そんな狙いで、11月16日にGoogleがスタートさせた「 #近所は宇宙だ 」キャンペーン。
僕自身、コロナがやってきて、飲食や宿泊関連の人たちに少しでもお役に立てないかと、インターネットを使って、インスタライブやネット販売に挑戦した、という話を前編でしましたが、他にも取り組みを進めていたことがありました。
それは、Google Mapsを使ってのデリバリーマップ、お取り寄せマップ作りでした。作り方を教えてもらったら、簡単に作れることを知ったのでした。実際に発信してみると、たくさんの人が使ってくれた。
飲食関連の人たちを応援したいと思っていた人たちは、たくさんいたと思います。しかし、飲食関連といっても、情報があまりに多過ぎたのです。大手の飲食予約サイトもテイクアウトマップなどを作っていましたが、とんでもない量。とても選べない。どれを選んでいいのか、わからないのです。
そこで、僕が選別して、マップに載せることにしたのでした。そうすれば、選びやすくなります。実際、僕のマップを見てお店に連絡した人がたくさんいました。僕がキュレーションした店だから、ということで安心して選んでくれたのです。
そして、ここがまさに、Googleの「#近所は宇宙だ」キャンペーンに通ずるところだと僕は思っています。
近くに住んでいる人が発信するから
Googleが作ったキャンペーンのランディングページには、僕も「旅人・実業家」として登場しています。いろんな人たちが、いろんな角度から発信をしていくようです。
Google「#近所は宇宙だ」
「#近所は宇宙だ」キャンペーンでは、近所に住んでいる人が自分の近所のお店を検索する。それを自分で楽しむ、ということができます。これが近所のスモールビジネスを支援することになるわけですが、もうひとつできることがあると僕は思っています。
それは、そうやって検索した情報を発信していくこと。そうすることで、「ああ、あそこにはこんな店があるのか」「こういう切り口の店はあそこにあったのか」といったことに気づけるわけです。
そしてこのとき大事になるのが、誰が発信するか、です。僕が発信したデリバリーマップ、お取り寄せマップが支持してもらえたように、近所に住む人が発信している「近くの、この店」には、その情報に大いなる安心感を作れるのだと思うのです。
「#近くの元気になれる店」を教え合おう
僕がぜひ提案したいと思っているのは、同じ切り口でぜひ近所の店を見つけてみてほしいということです。そして同時に、発信してほしいということ。
実際、僕が真っ先に「#近所は宇宙だ」タグをつけてツイッターで投稿したのが、東京・渋谷にある「ラーメン居酒屋 ももまる」だったのですが、何がすごい店なのかって、とにかく超異空間のとんでもない店なのです。
店長はピンクの洋服を着て、店内に据え付けられたブランコで現れる。ここからもう驚きのコンテンツ連発なのですが、とにかくカオスで、笑うしかなくなってしまう店なのです。
では、なぜ僕がこの店を紹介したいと思ったのかというと、ここに行けば元気になれるから。笑えて楽しくて、パワーをもらえるから。
だから、ハッシュタグでは「#近くの元気になれる店」と付けました。ぜひ、みんなのとっておきの「近くの元気になれる店」を教えてほしいと思ったからです。こんなコロナの時期だからこそ、元気がもらえる店を教えて欲しかった。
そうすれば、近くにいる人は、みんなが元気がもらえる店を知ることができます。「#近所は宇宙だ」キャンペーンでは、ぜひこういう使い方を、多くの人にしてほしいと思ったのです。
「#近くのイケてるバー」がきっとあるはず
そして次に投稿したのが、同じく東京・渋谷のバー「THE SG Club」でした。
「THE SG Club」
世界の50ベストバーでも選ばれている東京を代表するバー。世界的に有名なバーテンダーがいて、世界ナンバーワンのバーと言っている人もいるくらいの素敵なバーです。
公園通りにある店は、昼下がりから飲める1階と、夕方からオープンするスペシャルな雰囲気の地下、さらには会員制のシガーバーのある2階からなっています。上海やニューヨークにもお店がありますが、いずれも高い評価を得ています。
この投稿では、もちろん「THE SG Club」を知ってほしかったのですが、ハッシュタグ「#近くのイケてるバー」をつけています。全国いろんな街に、きっとイケてるバー、お気に入りの素敵なバーがあるはず。それをみんなで教え合ってほしいと思ったのです。
近所の人、近くに住む人がお勧めする店。きっと多くの人が知りたいと思います。近くの人はすぐにでも行きたいし、遠くに住む人は、いつか行ってみたいと思うのです。
「思い」のある店に人は惹かれる
僕は個人的にたくさんの飲食店オーナーやホテルオーナー、酒蔵などとつながりがあることもありますが、個人の事業者をずっと応援してきました。大きなチェーンを否定するわけではありませんが、個人のオーナーたち、スモールビジネスの担い手たちには、やはり強い「思い」があるからです。
その「思い」が人を惹きつける。人と人とが触れあって、何かが生まれる。そこにまた、人が引き寄せられる。いわゆる常連さんというのは、この「思い」に共感して来ているのです。そしてその「思い」は、お店やビジネスに溢れ出てくる。それ強いのが、スモールビジネス、小さな事業者の店や会社なのです。
そしてコロナがやってきて、実はこの「思い」こそが最も大事だったということを、僕は改めて知りました。コロナがやってくる前まで、例えば飲食店での繁盛店の条件のひとつは、人が多い場所、人通りの多い立地に出ることでした。そうすることで、人目に触れ、目立ち、お店を使ってもらえる。
ところがコロナで最も打撃を受けたのは、こういう店だったのです。言ってみれば、消極的に選択されていた店。「駅前にあったから」「たまたまあったから」「通りがかったから」。コロナで人が消え、人通りがなくなってしまったら、打撃を受けたのは当然でしょう。
ところが、「思い」のある店には、むしろ心配して常連がかけつけた。びっくりすることに、案外、混んでいたりしたのです。「思い」があるから、積極的に常連に選ばれていたのです。
しかし、そうはいってもコロナ前のようにはいきません。もちろん打撃があった。そしてようやく戻りかけたと思ったら、第3波のニュースが流れている。
このタイミングでの、Googleの「#近所は宇宙だ」は、とてもタイムリーだったといえるかもしれません。行くも良し、テイクアウトやデリバリーもよし。いずれにしても、近所を見直す、いい機会です。これまで利用したことがなかった店、裏通りの知らなかった店を見つけられるかもしれない。
それこそ1時間ほど徒歩で「旅」をして、新しい発見を投稿するのもいいでしょう。「#近所は宇宙だ」を新しいムーブメントにして、飲食をはじめとしたスモールビジネスをサポートできたら、と思っています。
みなさん、ぜひご協力を、よろしくお願いします。
本田直之
(text by 上阪徹)
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