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義務感が元凶

なぜ寝る直前にならないと書けないのか、書かないのか、が正しいのかもしれないが。時間はたっぷりあった、書かなきゃな、も頭の隅にあった、でも書かなかった、一日が終わる、その前にやらなければ。夏休みの宿題、怠けた一日の風呂。いつだって期限ギリギリにならないと、追い詰められてやっと動くのだ、そして間に合わない。何もかもに間に合わない、そして死にたくないと叫ぶのは辛い、わたしがわたしに脅しをかける、それでも動かない。わたしを飛び越えて動き出すのが唯一の方法だ。飽きた時は飽きたと叫ぼう、たとえ一人でも、むしろ人がいないほうが好都合だ。漫画家、加藤伸吉はよく一人で喋っているらしい、喋らないと不健康まっしぐらだ、筋肉の衰えた口、声帯からはボソボソとした音しか出なくなってしまう、頭だって回らなくなる自分の内面にばかり意識が向いて、良くない妄想、イメージにたどり着く。久しぶりに出した声は遠くに隔てられ、一体誰の声だ?アスファルトを歩いている靴が視界の下方に、しかし足に伝わる感触はわたしには繋がらない。なんだったか、一人で喋る、だった。もっと一人でも喋ろうと思ったのだ、独り言も出ないわたしだ、誰かにしゃべるように一日喋って過ごしてみよう。それは難しいだろう、相手がいることは喋る、の基本的な条件ではある、一人で喋る、はある程度の慣れ、練習が必要だきっと、そして一人でいる時間はぴったりの練習時間になる。なんだか首が痛い、姿勢が悪いからだろう。それで。寝る前になぜ書くか、書かなきゃと思っているからだ、思っているから一日書けない、そして書かずには寝られない。義務感がすべての元凶だ、しかし義務を果たすのは気持ちいいものだ、だから厄介かもしれない、国から俺がお前の義務だなんて言われてもうるせえで済むが、自分で決めた義務は果たしたいと行動し、果たし終えた満足を感じるものだ。義務にしようとした覚えもない書くこと、これはもう以前書いたことだ、無意識下でリストされてしまったのだ、どうしようということもない、わたしからできるのはそれに従うか、やらないとわたしが決めるかのどちらかだ。これはつまらない話だ、余計に頭が重く感じる、歯も磨いたというのにポテトをいくつかつまんでしまった、冷えて萎びたポテトは基本的には嫌いだがこれは塩が効いていて美味しい、冷えて不味く感じるのは塩の風味がなくなるからかもしれない、いや単に冷えたらまずいだけか。頭が回らなくなってきた、むしろ最初から回っていない、明日こそはなんて絶対に書かないそれは負債にしかならない、明日の自分はわからない、わかった気になるからつまらなくなる。明日はすべてをぶちまけられますように、お祈り程度が一番だ、程度じゃない、お祈りこそが一番力を秘めているのだ。

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