孫さんはズルいのか?

SBGによる肩代わり


ソフトバンクグループ(SBG)が運営するファンドへの孫さんの出資を肩代わりしていたというニュースが話題になっています。
ソフトバンクグループは、企業に投資して投資利益を得るファンド運営や投資事業を営んでおります。
そのようなファンドは、投資するためのお金を複数の投資家から募っています。
投資家と利害を一致させ、投資家を安心される目的で、孫さん自身もファンドに出資しておりました。
しかし、その出資金をSBGが肩代わりしていたそうです。
日経新聞によると、肩代わり金は約6800億円だそうです。
肩代わりといっても、実態は、貸出に近そうです。
どうやら、ファンドが解散する前までに、孫さんが肩代わり分を返済するそうです。
この肩代わりに関するニュースが、上場企業としてこんなの大丈夫?せこくない??と話題になっております。


はたして孫さんはせこいのでしょうか?


せこいと言われている理由は、いつくかあると思われます。
①自身のファンドに運営者が出資するのは不正では?
②株主であるSBGに肩代わりさせるのはせこいのでは?
③返さなくてはいけない期限まで逃げ切るのでは?
それぞれ、検証していこうと思います。


①自身のファンドに運営者が出資するのは不正では?

これは、不正でないと思われます。
実際に、プライベートエクイティーファンドでも、ファンドを運営する組織のパートナーなどが、運営するファンドに出資することはよくある事です。


②株主であるSBGに肩代わりさせるのはせこいのでは?

これは金利の問題ですね。
確かに、6800億円を無金利で肩代わりされていたら、ずるい!と思ってしまう気持ちも共感できます。
ただし、有価証券報告書などを見てみましたが、貸出の具体的な条件などはやはり記載されておりませんでした。
そのため、実際のところ、無金利かどうか、もしくは、ものすごい低金利かどうかは、分かりません。
政策投資銀行の企業向け融資の金利を見て眠ると、10年融資で1.3%、特別融資では1%を切ります。
1%と考えると、年680億円、0.5%なら年340億円。
非常に大きな額ですので、金利を市場よりも優遇されている場合、反感がでるのは不思議ではないですね。


③返さなくてはいけない期限まで逃げ切るのでは?

ご高齢なので、返済期限までは先で、逃げ切ってしまうのでは?という批評もいくつか見かけました。
この批評に関しては、孫さんは逃げ切りは狙っていないのではと思います。
肩代わりされているファンドの存続期間は2032年10月で、10年後です。
Wikipediaによると孫さんは現在65歳です。
10年後は、75歳です。
日本の男性の平均寿命は80歳を超えております。
10年後も、まだまだバリバリ頑張る気概なのではないでしょうか。


総括


ツイッターでは、孫さんの肩代わりニュースに対して、コンプラ大丈夫?というコメントが多かったように感じました。
確かに、記事の見出しを見たり、ざっと記事を読んでみると、私もやばそうかも??という感覚を持ちました。
ただ、よくよく決算資料などを見てみると、貸出条件などの不明な点はあるものの、明確にコンプラ違反といえるような要素は見当たらなかったように感じました。
やはり、記事を読むだけでなく、1次情報も確認してみる事が大切ですね。

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