がんばることとかの話

 去年春に事務員として働いていた会社を辞めて少しでもデザインや美術に関わる会社へ行こうと試行錯誤していた初夏「私はなぜ会社に行くのが嫌いなのにまた別の会社に行こうとしているのか?」と不思議に思ったため兼業をやめてぬるりとフリーランスになった2年目の確定申告も無事に済みました。胃痛など無視して昼からビールを飲もう!と決意した税務署帰りは財布を忘れたので、すばやく帰宅し机の隅に転がっていたチョコレートを食べました。ぼーっと一年間の帳簿を見ながら「はあ我ながらよく今年も生き抜いたもんだ」と感心しました。

 生きるのってめちゃめちゃ怖いもんだと思っていたので、なるべく目つぶって丸く縮こまって部屋の隅で何かが変わるのを待っていましたが、当たり前に誰も何も変えてくれたりしませんでした。誰かが才能を見出してくれないし、わたしのイラストや商品をプロデュースしてくれないし、売ってくれないし、帳簿を勝手につけといてくれないし、領収書を管理してくれないし、お金も自動的にくれないし、まったくなんてことなんだろう。誰かに手伝ってもらうことはどうしても必要だし、何もかも自分でやると気負う必要はないけど、自分の意思をしっかり持って主張して、それにともなう行動をしていないと、はあ何を言っているんですか状態にしかならないので、とりあえず自分でやる努力はずっとしていかないとしぬことになる。

 毎日生活のすべてを勉強とし「この色はすてきだわ」「こんなレイアウトも格好いいんだねえ」「この線の繊細さといったら!」とたのしくやっていますが、やっぱり本が欲しいなあと思い、酒代をけずって勉強したいことの本を少しずつ買っては「ああ本ってやつはなんてことだ、すごいぞ、近道だ!」と言語知能が低下するほどにもっとたのしくなっています。勉強をするとまた生活の中で勉強ができて楽しいし、勉強をすると損をすることが減ったり不安なことが減ったりして良いです。デザインや美術だけの話でなく、税金とかの話もです。


 花粉症がどうだとかきっと私には縁のない話だろうと思っていたのも遥か昔、もう花粉症でないと言い張るのは難しい目頭のかゆみと耳鼻咽喉のむずむずに腹を立て、上がっては下がる気温に悲しくされているので、せめてもの慰めに、早く桜が咲いて欲しいです。

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