食中毒になり靴を紛失した話
私は、一足のスニーカーを持っていた。
色はネイビーで、イタリアのミラノで購入したお気に入りの靴だった。
親しい友人たちからは「センス悪い」などと言われることが多々あったが、お気に入りの靴だった。
*
ある日、私は牡蠣を食べた。
その2日後に食中毒になるとは知らず、それはもう欲張って、たくさん口にした。
その日は2人の友人たちと一緒に、鳥取→東京まで約14時間かけて車で移動する日だったので、
私は「なんとなく気持ち悪いな...」と思いつつ、車に乗り込んだ。
すると、出発して1時間後に (以下省略
それからは、サービスエリアを通りかかるたびに立ち寄ってもらった。
友人たちは食中毒にかかった女を乗せて、文句を言うどころか私の看病をしながら、一晩中交互に運転してくれた。
(その節はありがとうございました。)
そうして友人たちには東京の家まで送り届けてもらったのだが、車を降りようとしたそのとき、衝撃的な出来事が起こった。
...靴がないのだ。
車には靴を脱いで乗っていたため、おそらくスニーカーをどこかのサービスエリアの駐車場に置いてきてしまったのだ。
*
当時から必要最低限の荷物だけで生活していたため、持っていた靴は一足のスニーカーのみ。
唯一の靴を失ってしまった私は、そこから数日間、友人から借りたサンダルで過ごすことになった。
食中毒により靴を紛失することになろうとは、夢にも思っていなかった。
そして、その日にかぎって東京に雪が降るのだから、人生とは皮肉なものだ。
靴はどこかへ消えてしまったが、この出来事は永遠に私の記憶に残るだろう。
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シュークリームが食べたいです