ブラジルのバンド”Dani and Debora Gurgel Quarteto”の各アルバムの特徴
こんにちは。打楽器奏者の木川保奈美です。
今日は、私が世界で一番愛する”Dani and Debora Gurgel Quarteto” (ダニ・アンド・デボラ・グルジェル・クァルテート)、通称DDG4という長い名前のバンドがあるのですが、皆さんにも好きになってほしいなと思いまして、この記事を書かせていただきます。
ですが、なんせ世界で一番好きなバンドですので、魅力を全部書こうと思ったらスマホ画面をスクロールし続けて腱鞘炎になるほど長くなってしまうので、以前Twitterに載せた各アルバムの簡単なガイドを加筆修正しつつ転記しました。
アルバムごとの特徴がわかりやすいようなプレイリストも作ってみましたので、合わせて聞いてみてくださいね。
ではどうぞ。
Um(2013)
1stアルバム。全編アコースティック、ベースもエレキなしのアップライトのみ。ジャズ色が一番強く、ブラジルジャズリスナー初心者にも。オリジナル曲Quiet Little Ladyは可愛さ満点!カヴァーも多く、北東部リズムのアクセントそのまま、高速スキャットアレンジのForró Brasilは圧巻。
Luz(2014)
2ndアルバム。本作よりエレピやエレキベースも加わり、プログレ色ある幅広い表現に。Sai Dessaのキメキメアレンジの爽快感は半端ない!Meu Amigo Filóのサビ戻りのベースラインは涙出るぐらい秀逸。Né?とTerra do Solは前年の初来日の印象を含めている背景を知っていると更に面白い。
GARRA(2015)
2015年度ブラジルディスク大賞に輝いた3rdアルバム。最初の3曲でブラジル一周できるぐらい様々なブラジル固有のリズムが使われており、ブラジルの広さと多様性がありつつ今っぽいおしゃれさも感じられる。ホメロ・ルバンボがゲスト参加。超テクも健在。Lôroのハイスピードカヴァーは必聴。
NEON(2015)
Garraと同時期に発売された全編洋楽カヴァーアルバム。誰もが知っている楽曲ばかりなので、中高生や音楽に詳しくない方にも気軽に聞くことができるし、原曲を生かしつつDDG4の性格を前面に出した絶妙なアレンジには音楽ファンも学ばされることばかり。特にデボラ節大炸裂のSir Dukeは必聴。
DDG4(2016)
4thアルバム。ここでDDG4の第1章が完結した感じがある。1stから比べるとだいぶ緻密で複雑な進行とリズムが多くなり、ダニのスキャットテクニックももはや楽器の域になってくる。しかしリスナーを置いてけぼりにしない絶妙なバランスでポップな要素が含まれるので聴きやすさも抜群。
THE BEST OF DANI & DEBORA GURGEL QUARTETO(2017)
Um〜DDG4までのベスト盤。良曲揃いだし、年順だけどアルバム順じゃない曲順が粋な演出。特筆すべきは最後4曲のボーナストラック。Nó de ViajanteはRodopioにも収録されているが別録。ドラムの違いで、バンドサウンドの変遷も感じることができる。
Rodopio(2019)
空白の3年間、メンバーがそれぞれの活動に邁進した後、最新作がダニデボラ母娘名義で帰ってきた!本作は同時に譜面も販売されるなど、リスナーのみならずプレイヤーに寄り添うことをテーマに製作されたそうで、音楽的IQがグッと高まった印象。一番玄人受けする盤かもしれない。
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