エブリスタ新連載のお知らせ


Noteではお久しぶりです。

10月からしばらく怒涛の日々がつづいていたところ、早二ヶ月。
更新のないまま過ごしてしまった反省と、近況の報告及びお知らせをお持ちしました。長くなりますが、お付き合いいただけますと幸いです。


ご報告:改名致しました。

今後は、ハルニレ改め「穂波晴野(ほなみはるの)」として近況やお知らせをお届けできればと思います。改名の理由としてましては、これから発表していく作品の名義を統一したいという意図があります。

じつは、ハルニレとしてNoteで投稿をする傍ら、文芸およびライト文芸分野の作品を執筆していました。

昨今流行している小説投稿サイトには不慣れなため、細々とひとりで作品を書いていたのですが……。このご時世、努力の可視化は大切だなぁ。と、心改めるような出来事がたくさんありました。

牛歩ではありますが。すこしずつ。
日の当たる場所で「おはよう」を告げる練習をしていければと思います。

そんなことを考えながらの第一歩です。

「九遠堂怪奇幻想録」


小説投稿サイト「エブリスタ」にて連載を始めました。

〈あらすじ〉
平凡な高校生・伏見千幸(ふしみ ちゆき)は夏祭りの夜に、風変わりな青年と出会う。彼がいとなむ商店は、ヒトとは異なることわりで生きる「怪奇なるもの」が棲みつく古道具をあつかう不思議な店だった。
千幸は商談を耳にしたのをきっかけに、店主の椎堂のもとでアルバイトをはじめるが……。

高校生の少年が主人公の伝奇ファンタジー。
ふしぎなお店とそこに訪れる人々の想いを追うおはなしです。

こちらの初稿は「第6回 角川キャラクター小説大賞」に応募した作品で、
最終候補作としてご選出いただいた経歴があります。

この件に関してはこういう場で表明するべきか悩みました。筆者としては、これから出会う読者のかたに先入観なく読んでほしい思いもあります。

ただ、どんなかたちであれ、候補作として推してくださった方がいたからこそ、得られた評価なのだと思います。言葉として残らずとも、お心を寄せてくださった時間を想像で埋めていきたい。
お読みいただきまして本当にありがとうございました。

残念ながら受賞には至らなかったのですが、自分としては驚きの結果でした。



じつは「九遠堂」を書ききるまで、作家になりたいと表明できずにいました。

大好きな物語のつづきを考えたり、それを書きつけてみたり、空想を空想のままに愛することが好きでした。
読者として登場人物たちと旅をして、ふと現実にたちかえるとき、彼らと手を繋いだ思い出をもちかえるたびに喜びを覚えます。

そうした思い出をくれた作家の方々に、作品を届けてくれた編集の方々に、そのとき本棚に並べてくた書店の方々に、言い尽くせない程の感謝を覚えながら、たぶんこれからも生きていくのだろうと思います。

今までもこれからも一介の読者として過ごす時間は、とても幸せなひとときです。



……………ですが。九遠堂に関しては、筆者でもあるようで。
発表してしまったものだから覆せない事実でもありまして。今年5月の応募時に読んでくださった方々にむけた言葉を練ってもよろしいでしょうか。


読者の方へ。

とりわけ「九遠堂」の物語に優しい言葉を練ってくださったある方へ。

ひとりにむけて手紙をつづるように、すこしだけ筆者のお話を書きます。

時は2020年の初頭。耳には暗い知らせばかり届き、明るい話題に欠けたご時世でもありました。そのころわたしはどこにもいけない鬱屈を抱えながら、真冬の最中、独りで小説を書いていました。

完成した小説を賞に送ったのち。

最終選考まで快進撃をつづけていく作品を、思いもよらず見守ることになりました。期待と不安のあいだをふわふわ漂うような、喜びと苦しみのある時間でした。

たとえ何処へいくことができずとも。
そういうご時世だからと言い訳をして、旅立つ決心がつかずとも。

九遠堂の彼らは遠い場所まで行ってしまうのだなぁ。と、作品から学ぶ日々を送っていました。

物語のむこうで応えてくださった方の存在に、勇気づけられていたのです。月並みな表現かもしれませんが、生涯忘れられないような一年です。
きっと熟慮してくださったことに何度でもお礼を申し上げます。

そのころ勤めていた社屋のPCを前に、名もなき作家志望がひそかに快哉を叫んでいたことは、きっと筆者だけが知っていれば良いことですね。

わたしはいま作品の舞台である架空都市のモデルになった街を離れ、未だ道の半ばにいます。どうか道の先にあるものが、明るい灯火がともるような日々でありますように。

それはもちろん筆者だけではなく、あなたにとって明るい未来であれば、心より嬉しいです。



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