ヒリヒリするほどの。
来年小学生になる長女の就学前健診に行ってきた。
小学校に足を踏み入れるのは子供の時以来。
体育館から入り、グループに分かれて校舎の中に案内される。
独特なむわっとした匂い。
昇降口の、背の低い年季の入った靴箱。
飴色によく磨かれた床。
教室の外壁に貼られる作品。
廊下の窓下にずらりとかけられた子供達の着替え袋。
ヒリヒリするほどの懐かしい感覚が迫ってきて、一気に"小学校"という世界に引き込まれてしまった。
子供達だけ教室内に案内される。
ドアからチラリと覗いたら、一番後ろの席に折目正しくぴしっと背を伸ばして座っていた。
保護者は別の教室に案内される。
並んだ小さな机。
ちらりと覘いている"お道具箱"たちが様々に個性を主張していて微笑ましい。
机に貼られた名前。黒板に書かれた文字。
先生の机に、教卓。
唐突に、「あぁ。旅立つのだ。」と思った。
そこには他者の介入は許されない、
完成した子供の社会がある。
かつて、私もその中にいたのだ。
きっと色んなことがある。
うまくいかない日も出てくる。
これから子供達は、この小さくも果て無く大きな小学校と言う世界で、自分の生まれてきた意味と向き合うことになるだろう。
大いに羽ばたいて欲しい。
私の翼はここまでは届かないけれど、
戻ってきた時にはいつでも広げて包むことは出来る。
子供達が自分の世界で、"幸せの種"を沢山見つけられるように。子供の翼が折れないように。
親にできることは何だろうかと考えている。
少しずつ伝えていけるといい。
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