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仕事と育児を両立できない私が悪いのか。痴漢にあうのは隙があるせいなのか。

妻、女、主婦、労働者、キャリアに躓いた人、母、シングルマザー、友人などいろんな形の「女性」をしてみた私の「ただの日記」です。でも、いろんなことが見えてきたんですよ。

シングルマザーと女性と働き方の問題

私がシングルマザーになったばかりの頃。子どもたちの夏休みの預かり先が見つけられず焦っていました。シングルマザーにとって子どもたちの預かり先がないということは死活問題でした。やっと見つけた預かり先、契約を済ませ安堵して数日のこと。契約先から言われたのは「夕方は15時までしか預かれません」と。「やっぱり、働けないじゃん…」

困り果てて、別の支援者に相談すると
ー「仕事を変えたらどうですか?」
ー「働き方をおさえたらどうですか?」
みたいな言葉を言われて。

悪気はなかったのだろうけれど、それだと生きていけない我が家だったので自分ごとに思ってもらえなかったのがとてもショックだったんですよね。

これは、私がシングルマザーだからということもあり極論の例だとは思います。けれど、これが夫婦揃っていたとしても「子どもの暮らしを回す」のは母親の勤めという空気感は社会全体に未だ蔓延っている。それによって女性の働き方をセーブすることが当然かのような言葉を言える側はあまりにも理解が足りていない。または、力を持っている。ということです。女性にとっては切実な問題なのに。

けれど、女性がここまでして働いているということは、職場にいくと誰一人として知らない。「子持ちは残業しなくてよくて羨ましい」などと言われてしまう。

そういうものの見方をされてしまうと、上を目指す仕事を任されることもなくなっていく。むしろ任されるのは、男性社員が買ってきたお土産のお菓子を本人ではなくこちらが配る役目だったり。誰もが面倒だと思っているお金の計算を「自分は不得意なんだよね」という理由で任されたり。

そこには、「自分たちは重大な仕事ができる人間なのだから、その仕事ができないあなたたちが雑用は担ってね」と言われているような気さえしたことがありました(思い過ごしなのかもしれません)

また、誰よりITや営業のスキルがあったとして。仕事としてその先を任せられることがないから、待遇改善につながることはないように感じることさえありました。

これは10年程度前の私の事例です。けれどやっぱり今でもこういうことはあるのではないかと思うんですよね。「女は家事育児が仕事だ」「キャリアの積み上げなど考えるな」というようなバイアスはまだまだ残っている気がする。

「女性の話は長い」「まとまりがない」という人もいます。けれど、それで距離を置いたりしないでほしい。プライベートでもビジネスシーンでも、きちんと耳を傾けてほしい。そんなふうに感じています。

性の問題

最近、フジテレビの問題や伊藤詩織さんがメガホンをとった「Black Box Diary」が取り沙汰されていますが、これって遠くの出来事ではなく近くでも似たようなケースがあると思うんです。会社やプライベートでセクハラや性被害に遭い、加害者ではなく被害者の私が声を上げることができない人は多いはず。

私の経験を話しておくと、被害に遭ったとき、話を聞いてくださった方が「あなたにも隙がある」と言われることもありました。けれど、そうなってしまうと何故か被害だと声にできなくなってしまう。

性欲を悪用する男性より、気をつけなかった女性の方が悪いとされる社会は、やっぱりおかしいと思うんです。それは前述した「働き方」の問題でも同じ。

個人の問題<社会の問題

ここ日本では、働き方・出産・子育て・といった女性の抱える悩みや課題を「個人」の問題に置き換えようとする傾向が強いですよね。けれど、本当は個人の問題ではなく社会問題なんだと思います。みんなが我慢強くて声にしないから「みんなの問題なんだ!」と気づきにくい。

きっと男性にもあると思います。子どもの頃から刷り込まれてしまった「男らしさ」のせいで、声にできなくて飲み込んでしまうアレコレ。それと同じで、まず声にしてみることで見えてくる世界が変わるのだと思います。

個人の問題だったものが「自分一人の悩み」ではなく、社会構造に繋がっていると認識できるようになる。要は男女ともに、飲み込んでいては何も変わらないということです。

ただ、勘違いしてほしくないのは個々人が「声を上げること」だけを推奨するのではダメだと思っています。本当は、強い立場にある人たち(特には男性)のマインドチェンジもやっぱり必要だと思うんです。力ある人たちが見えづらかった問題に気づいて動いてくれること、それが問題解決の速度を変えていくのだと思っています。

そういう上に立つ人たちを応援し続けたいと思っています。


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さおり@特別支援の本棚
いただいたサポートは、我が家の自閉症児2人のおやつか私の一息の休憩代に使わせてください。私もいつか、ひとり親や障害児育児にサポートできる側に回りたいです。