変わりゆく
昨年末の読書会で紹介された
『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』
はすばらしい作品で色々なことを考えさせられた。友人から借りて読んだが、生老病死を考えるワークショップでも引用するほど影響を受けた。
その関連で『晴れたら空に骨まいて (講談社文庫)』
を購入し、読んだが題名からもわかるように自身も含め6家族が散骨にいたる過程を描いている。そこは単純な骨を撒く話ではない。家族のもしくは家族以上の友人と共に生きつづけるものでもある。遺骨の扱い方も故人の人生に反映されるものと感じられる。
魅力的な2作を読んで作者の源流を知りたくなり、ブックオフで購入したのが、『パリの国連で夢を食う。 (幻冬舎文庫)』
作者がなぜ国連に入り、何を見る、何を感じたのかを理解できる。国連はかなり、ラッキーがあったようだが、それ以前に努力がある。環境が努力を必要としたのは文章でわかる。ある意味夢を叶えた?後、どうするか?が本書の大切な部分であろう。今、すぐに挑戦しようとする姿勢だ。ただそれは一人で生み出されたものではないようで、国連に務めながら書いた下記の作品の影響があるようだ
『パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)』
本書はパリ在中の日本人の奮闘記である。川内さんはインタビューをしながらそれぞれの人々のあり方を迫っていくが、絶妙な距離感で、読んでいる最中が清々しい。
川内さんがインタビュー相手をそれぞれ大切にしているのを感じます。そこには、相手への純粋なリスペクトがあるのだと感じます。
作品よりテイストは異なるが、基本、いつも清々しい。それは作者の潔さがあるのだろうなーと感じます。変わっていく勇気がそこにはある。
仏教は諸行無常をとき、縁に基づいて生きるという。それは縁を大切にする人間しか、成長しないし、善き人にはなれないということかもしれない。
ご縁を大切にする。その向こうにこういう文章が書ける人間、人格があるのかもしれないと感じる本たちであった。