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絶叫マシンに乗って

お正月、ふと思い立って30年ぶりに絶叫マシンに乗った。
1月2日に特急で富士急ハイランドへ。

車内は驚くほど外人客でぎゅうぎゅう詰めで、移動も大変。
私は山積みになったアタッシュケース置き場の隣で縮こまるしかなかった。

行きの電車で疲れてしまったが、最寄り駅についた途端にテンションが上がった。
駅と直結した富士急ハイランド、その奥にそびえ立つ富士山。
写真を取らずにはいられなかった。
写真のアングルをあれこれ考えるのに夢中で、よそ見してコケた。
「大丈夫ですか」と聞かれて恥ずかしかった。

ともあれ、気を取り直してチケットを買い、いざ絶叫マシンへ。
まずは定番とされているFUJIYAMAへと向かったものの、待ち時間80分の表示に心が折れた。
何も考えずにフリーパスを買ったが、乗りたい絶叫マシンのチケットと優先チケットという組み合わせにしておけば良かった。

とりあえずFUJIYAMAを後にし、待ち時間60分の高飛車に並んだ。
何しろ私は基本ソロ活。
ファミリー、子供のグループ、カップルばかりの列で45歳のおっさんが一人、仁王立ちしていた。
これは試練だ、と思った。試練の後にはご褒美が待っている、と。

そしていよいよ自分の番。
座席に座り、シートベルトをして安全バーを固定。
この感覚、まさに30年ぶりだ。

高飛車は真っ暗な室内でスタートし、突然急降下する。
ドキドキしながらコースを進むと、ガクンと落ちてあのフワッと感。
凄まじい轟音とともに、凄いスピードでコースを駆け抜ける。
ぐんぐん加速して地上に出たと思ったら、今度はグルグルと宙返りの連続。
遠心力で振り落とされるかと思った。
そして名物の垂直上がり&121度の垂直降下。
これは正直、それほど怖くなかった。
しかしながら終わってみると、足がガクガクしていた。
そして興奮していた。

次は思い切って最恐と名高いええじゃないかへ。
試練を乗り越え、いざ靴を脱いで乗車。
足が寒くて、地面を離れたとたんに始まった感。
そのまま後ろ向きにコースを上がり、いよいよ例の垂直回転急降下。
瞬間、世界が変わった。
全く新しいスリル。
重力の概念を忘れるような解放感。
もの凄いスピードで上下左右宙返りを繰り返しつつ、座席が自由に垂直回転。
噂通り、自分が落ちているのか登っているのかすら分からなくなってきて、ひたすら身を委ねるのみ。
間違いなく、絶叫マシンの新境地だと思った。
年始早々、素晴らしい体験ができた。

冬の日差しは短い。
暮れかけてきたので、あとひとつ、とりあえず並ばないアトラクションに乗ろう。
そう思って並んだのがトンデミーナ。
いわゆるバイキングだが、かなり激しく揺れるタイプ。
おまけに座席の台が円盤になっていて、外周の座席が左右に回る。
いざ乗ってみると、ジェットコースターとはまた違う刺激。
次第に加速して上昇し、今度は反動で勢いよく降下。座席がグルグル回って、視界が目まぐるしく変わる。
時には降下するタイミングに合わせて、降下する方向へと回り出す。
あの瞬間はまさに降下というより落下で、思わず絶叫。
並び時間は前述の2つに比べて全然短かったけど、思わぬダークホースだった。
ネットでレビューを見ると「FUJIYAMAより怖かった」「連れが泣いていた」など、絶叫マシンとしてはなかなかの評価。
おかげで大満足。

ちなみに1月5日には東京ドームシティでサンダードルフィンに乗ったけど、やはり富士急ハイランドでの感動には及ばず。
もう普通のジェットコースターには戻れないかも。

新しい趣味にピッタリだとは思ったけど、何しろ金も手間もかかる趣味だ。

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