援助は、戦後のガザを支配しようとするイスラエルとパレスチナの闘争の核心である。
イスラエルとハマスにとって、援助物資の配給をコントロールすることは、銃声が聞こえなくなった後、どちらが優位に立つかを決める重要な要素なのだ。
ModernDiplomacy
ドーシー博士
2024年3月30日
元記事はこちら。
ガザの人口230万人は、戦後のガザを支配するための皮肉な戦いの駒なのだ。
イスラエルが、食糧や医療品、その他切実に必要とされている人道物資のガザへの自由な入国制限を解除することを拒否しているのは、単独の飢餓政策というよりも、誰がガザ地区での配給を支配しているかに関係している。
イスラエルもハマスも、援助物資の配給をコントロールすることは、銃声が聞こえなくなった後、どちらが優位に立つかを決める重要な要素だと考えている。
支配権をめぐる争いは、イスラエルによるガザ市のアル・シファ病院への最新の襲撃を説明し、イスラエルとハマスが政治的目標の追求のために罪のないパレスチナ人の命を犠牲にする意思を持っていることを浮き彫りにしている。
この闘争はまた、ガザで最も重要な人道支援組織である国連パレスチナ救済事業機関(UNRWA)の将来をめぐる闘争の枠組みでもあり、米国はこれを閉鎖しようとするイスラエルの努力を支持し、湾岸諸国は綱渡りをしているように見える。
ハマス側は、アル=シファがガザ治安部隊の司令官であるファイク・アル=マブーフ准将の拠点となっていたことを、彼の存在がイスラエル軍の襲撃を招く危険性があることを十分承知していたことを明かさない。 アル・マブフ氏は病院への攻撃中に殺害された。
イスラエル軍は、アル=マブフ氏は「アル=シファ病院の施設に潜伏し、そこでテロ活動を展開していた」と主張し、一方ハマス側は、同氏はガザ北部への援助物資の配送を地元の氏族やUNRWA、その他の国際組織と調整する責任者だったと主張した。
イスラエルは、アル・マブフ氏は病院とその周辺で殺害した170人の「テロリスト」の一人だと述べた。 イスラエルは、さらに358人のパレスチナ人戦闘員を捕らえたと述べた。
アルジャジーラのジャーナリスト、イスマイル・アルグールも捕虜の一人だった。 彼は後に解放されたが、イスラエル軍に殴られたと語った。
イスラエルは、アル・マブーフ氏の殺害以来、他の警察幹部を標的にしている。
今週初め、イスラエル軍は警察北部ガザ捜査局長のラエド・アルバンナ少佐の自宅を攻撃し、同少佐と妻子を殺害した。 アルバンナ少佐は、アル・マブーフ少佐と同様、ガザへの入国と援助物資の配給を円滑にすることに力を注いでいた。
ハマスの軍事・政治幹部が地下トンネルから機能しているのとは対照的に、アル・マブフ氏は制服を着て公然と活動し、ガザ北部の法と秩序の維持について公に語っていた。
イスラエルは、ガザ側の国境で援助トラックを護衛する警察部隊を標的にするのをやめるようとの米国の要請にもかかわらず、アル・マブフ氏とアル・バンナ氏を殺害した。 米政府高官は、「法と秩序の完全な崩壊」が飛び地の人道危機を悪化させていると警告した。
2月、米政府高官は、ガザがもうひとつのモガディシュになりつつあることを恐れていると述べた。モガディシュは、長い間治安の空白と絶望にさいなまれてきたソマリアの首都で、武装ギャングが自由に行き来できる場所だった。
参考記事
1 【ネタニヤフの壁は崩れつつある】
米国のガザ投票は、イスラエルと、過去6ヶ月間安保理が停戦を要求するのを阻止した主要な支援国である米国との関係を緊張させる。