「喬太郎・桃花・わん丈 三人会」_2024年10月26日
「喬太郎・桃花・わん丈 三人会」を聞いてきました。
坊ちゃんが砂遊びの途中で掘り当てた、黄金の大黒を家宝にすることにした大家さん。お披露目の宴に呼ばれた長屋の連中が、1枚きりの羽織をみんなで着回しながら慣れない口上を言う「黄金の大黒」。
若いお妾さんに新店を任せようかと、彼女の忠義を試すべく心中を持ちかけた大店のご主人。若いみそらで死にたくないお妾さんとの目くるめく騙し合いが小気味いい「星野屋」。
世代噺家のホープ・三遊亭わん丈さんが演じる、こまっしゃくれたお妾さんがキュートでした。
落語ではおなじみの
「そんな役に立たん目ならくりぬいて銀紙でも貼っとけ!」
で、何度も笑いました。
枕で話していた真打昇進後のお母さまとのエピソードも、笑いながらも胸があったかくなりました。
3話目は、食うや食わずで学問に精進する荻生徂徠と、彼の清貧に胸を打たれた豆腐屋の主人との、情けと恩返しの人情噺「徂徠豆腐」。
アイドルのようなルックスながら、とんとーん! と気風よく、硬派な古典を聞かせる蝶花楼桃花さんを好きになりました。
なんとなく、柳亭こみち師匠が真打にあがったときと、その後の硬派っぷりが重なります。
トリは、現代で言うリサイクルショップである「くず屋さん」が、貧しいご浪人から古い大仏を買い付けて、細川藩の藩主に転売した。その仏像を洗ってみると、中から50両もの大金が出てきたから、さあ大変! 両者の間でくず屋さんが振り回されているうちに、めでたい形に着地する「井戸の茶碗」。
前座さんからの全ての話を丁寧に拾って盛り込む、喬太郎師匠の懐の深い落語が大好きです!
何度も書いてしまいますが、三遊亭白鳥師匠と柳家喬太郎師匠の真打お披露目を末廣亭で見られた経験は、豆っちい頃から落語っ聞きである私の、宝のひとつです。
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