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トライフルさんの絶景

かつて、時計に対する知識不足により2本ダメにしてしまった、大好きな腕時計の3本目をようやく見つけました!
ロゼモンというメーカーの時計なのですが、もう生産していないモデルなので、中古も含めて未使用を探すのに2年以上かかりました。

うれしい!

さっそく西荻窪にある「トライフル」さんに、点検と電池交換をお願いしに伺いました。

トライフルさんは時計の修理・オーバーホール・販売を行なっているお店で、今年の頭に発売した拙著「本郷・二分間の絶景」に収録されている、「二分間の絶景」という短編小説の創作にあたり取材をさせていただいた所です。

店内はアンティーク時計や雑貨のギャラリーになっていて、お店の前で写真を撮るカップルも見かける素敵なお店。

以前伺ったときに、店主のTさんから
「親子で時計を引き継いで、2代に渡って修理に持って来てくださる方もいらっしゃるんです」
と伺って、
「私の時計も見つかったら是非、ずっと面倒見てください!」
とお願いしていました。

「新しい時計との出会いを楽しむのもいいですし、拘りの1本を探し続けるのもいいものです」
とアドバイスをいただいて、いろいろな時計を見てみたのですが、やっぱり大好きでもう1度身につけたかったこの時計。

きっと、このモデルはこれが最後になるのでしょう。
少しでも長く一緒にいたいです。


今日Tさんとお話していて、私が好きな樽のような形は、「トノ―型」といい、鏡面に曲線があるのでさらに「カーベックス型」と続くのだと教わりました。
「トノ―・カーベックス」。一緒にいろいろな体験ができるのが今からとても楽しみです!

余談ですが、「二分間の絶景」は、時計修理の仕事に没頭する父に対して、複雑な感情を抱いている娘の話。不思議な言い伝えが生きている蒲田という街が舞台です。
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元々は数年前に私が夢で見た、父娘の会話のシーンでした。修理工房とお店兼、親娘の自宅は、ほぼ夢で見たまま描写しました。仕事に関する2人の諍いも、夢そのまま。
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夢から目覚めたとき
「ああ、なんか、大事な会話を聞いたきがする」
とメモをとり、実際に書き出すまで2年ほど保管していました。(その他のシーンや街の設定などは創作です)
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大きな賞の選考に通ったり、小さな賞をもらったりしながら、ようやく本になりました。

書き出す前は、本になるメドなど一切なかったのに、トライフルさんはどこの馬の骨かも分からない私の取材申し込みを快諾くださって、心より感謝申し上げます。


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