誰を信じる?愛を問われる、感動の金網マッチ___『STARDOM SUNSHINE 2023』東京・国立代々木競技場 第二体育館_2023年6月25日
大好きな女子プロレス団体「スターダム」の、『STARDOM SUNSHINE 2023』東京・国立代々木競技場 第二体育館に行ってきました! プロレスっていいよなぁ! って、心の底から思わせてくれる試合の数々でした。
■最後まで金網に取り残された選手は強制脱退___凶器有りのユニット対抗金網マッチ
スマホで撮ったので何がなんだかまったく分かりませんが、
メーンイベントであるQueen's Ques 対 大江戸隊(ヒール)の、ユニット対抗金網マッチ。
ユニットリーダーの林下詩美(ビッグダディの次女)と上谷沙弥はタッグパートナーであるものの、試合後の発言が発端で1か月以上、仲たがいしていました。折悪しく、試合中の誤爆(相手に向けた技が謝って味方に当たってしまう、自爆行為)が重なって、
あわやユニット分解の危機を迎えていたQueen's Quest。詩美はユニット内でも孤立していました。
今回の金網マッチは、
「凶器の持ち込みあり」
「最後まで金網に取り残された選手は、所属するユニットを強制脱退する」
というルールに則っていたため、詩美と上谷のぶつかり合いは必至でした。
激しい攻防でダメージを受け、一人で金網を登りきる力が残されていないレディーC選手を見つけ、詩美が身を挺して先に金網の外に送り出すシーンには胸が打たれましたし、
凶器のハシゴを利用して上谷を先に金網から出し、リングに残るヒールレスラーたちを一人で押さえる詩美の姿には涙が滲みました。
その後、相手選手の攻撃による負傷で、頭から流血してしまった詩美。なんとか金網をよじ登ります。
この後、今回の試合で最大の事件が起こります。
■上谷沙弥が金網の頂上で凶器を握る。振り下ろす先は敵か? 味方か?
金網の頂上では、詩美と対立してきた上谷が、ヒールレスラーである渡辺桃から受け取ったのです。
上谷が凶器を高く振り上げたとき、流血で手を滑らせながらもまさに金網を乗り越えんとする林下詩美の頭上に振り下ろすのではないかと、会場じゅうに緊張が走りました。
しかし凶器は渡辺桃に振り下ろされ、上谷は詩美に手を差し伸べたのです。
試合は詩美のエスケープによりフィナーレ。詩美&上谷のタッグ「アフロディーテ」の諍いも、感動とともに幕を下ろしました。
抱き合う2人にQueen's Questのみんなが重なってお団子みたいになったところは、涙でかすんでよく見えませんでした。
本当によかった。
(最後まで金網の中に残されたのは、大江戸隊の鹿島沙希。試合が怒涛の展開を見せるなか、沙希が横たわったままほぼ動きを見せなかった時点で、本人は大江戸隊を脱退したいのだろうと察しました。そして、この強制脱退でも切ないストーリーが生まれましたが、このお話はまたいずれお付き合いいただけますとうれしいです)
■金網から跳んだムーンサルト! スターライト・キッド
見惚れてしまい写真は撮れませんでしたが、Queen's Quest対大江戸隊の金網マッチでスターライト・キッドが跳んだムーンサルトも最高でした!
写真はQQのAZMが金網から跳んだ場面と、大江戸隊リーダーの刀羅ナツコ。
そして、凶器であるハシゴを利用して、詩美が上谷を先にエスケープさせた名場面。
お互い心が通っていると実感したのが伝わってきました。
(ヒールユニットの大江戸隊が、凶器を片手に慣れた感じで金網めがけて入場する様は、空気が一気に引き締まるほどの迫力で、とんでもなくかっこよかった! YES,ヒール好き)
■大技の応酬合戦、第三試合の「朱里vsジーナ」
第三試合の「朱里vsジーナ」も、目を見張る名試合でした。
ダイナミックかつ美しい跳び技の応酬合戦。目くるめくパワーファイトに、息をつく間もありませんでした。
最後は朱里がジーナを「白虎」という、首を起点にしたエビ固めのような締め技で制しましたが、ジーナの心が折れていないことはありありと伝わってきました。
白熱しました!
■身体を張って新人の才能を引き出す、高橋奈七永の愛情深いプロレス
私は”プロレス界の人間国宝”高橋奈七永さんの試合ぶりが大好きなのですが、
今回、現役日本人選手の中で最高身長を誇る新人、HANAKOを相手に繰り広げられた「パッション注入マッチ」も、素晴らしい試合でした。
奈七永さんの深い愛情と、プレッシャーに打ち勝った凄み。それを全身に受けて一心不乱に向っていくHANAKOの姿と、身体を張って受け止める奈七永さんの迫力。
試合後に抱き合う二人に涙が溢れました。
■舞華のパワーと、星来芽依のパワフルなハイスピード。強烈な第四試合
第四試合の、中野たむ&なつぽい(COSMIC ANGEL)&KAIR vs 舞華(DDM)&鈴季すず&星来芽依「6人タッグマッチ」では、衣装にトラブルがあったという4/28の横アリとは違って、KAIRIがのびのび楽しそうに試合をしていたことが印象的でした。
そして、2人まとめて抱え上げて落とす舞華のパワーと、とりわけ今年マーベラスから移籍してきた星来芽依のパワフルなハイスピードは強烈で、すっかり魅了されました(ビックリして写真を撮り忘れました)。
ほかの3試合も素晴らしかったのですが、止まらなくなりそうなのでここで止めておきますね。
プロレスって本当に楽しい! 入場曲を聞きながら会場に向かう道中もたまらなくわくわくする。そして心に力が湧いてくる。
楽しみにしてきたメーンイベントが始まると、期待が胸の中で爆ぜると同時に、「とうとうこの時が来てしまった」と、いつも感じます。
一瞬一瞬が尊い。