活動しきるための掃除と、休養しきるための掃除_小説家の「片づけ帖」Vol.34
■人生の転換期は無性に眠い
「人生の転換期に差し掛かると、人は無性に眠くなる」
かつて江原啓之さんの本で読んで以来、私は過眠の傾向が強くなると、この言葉を伝家の宝刀のように胸に抱いて眠り続けています。
この4日間もまさにそうで、人に会う約束と最低限片づけなければならない仕事以外は、とにかく眠り続けていました。
2日前に目覚めたときは、寝具に丁寧に掃除機をかけて取り換え、寝室のユリやバラの花瓶の水を入れ替えて、着替えて。そこからまた2日ほど眠り続けていたのです。
(最近お祝い事があったので、我が家には今お花がたくさんあります)
途中で何度か起きて食事をし、簡単な仕事だけはこなしていたようです。これも半ば夢うつつで、自分の記憶ではなくパソコンを見て把握できました。
人に会い続けた日は、作家として大事な打ち合わせだったこともあり、内容をしっかり覚えています。しかし、どこか素敵な夢を見ていたような感触でもあるのです。
■活動しきるための掃除と、休養しきるための掃除
そしてようやく目覚めた先ほど、シャワーを浴びたついでに、バスルームを丁寧に掃除しました。
家じゅうどこにでも使っている、環境に配慮した万能せっけんをお湯に溶かしてから、バスタブと壁をスポンジで洗い、床にもせっけんを撒いてデッキブラシと片手ブラシでごしごし洗い。排水溝は指で触れた感触がさらりとするまで洗い、一気に透明な水で全体を洗い流しました。
そしていつものようにバスルームの真ん中でお線香を焚き、細い煙がゆっくりと流れていく様を眺めながら、今回の過眠期の終了を味わっていました。
私の中で、仕事部屋やリビングやキッチンの掃除は、「活動」に直結しているような気がします。
環境を整えることで、エネルギーの流れが効率よく、わずかな引っ掛かりもなくなる。
そして寝具とバスルームは、「休養」に。
疲労や思考の澱など、心身の老廃物をすべて剥がして流し切るために、この2か所の淀みをすっかり取り除く必要があると思います。
目覚めている間は脇目もふらずに走りきり、深く眠って回復しきる。
こんなふうにエネルギーは新陳代謝を繰り返しながら循環しているのだと、しみじみ感じました。
……ここまで書いたら、なんだかまた眠くなってきたので、今日はもう寝ますね。明日の朝からは土日も含めて仕事が詰まっているので、今夜が過眠期の最終夜になろうと思われます。
最近、私は会社を設立したり新作について覚悟を決めたりと、人生のターニングポイントを迎えている気がします。この過眠期も、何か素敵な意味を持つことを祈って。
■根っからオタクの、港区キャリア美人”M”。大好きな友達
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