ペルセウス座流星群、2520年より。


2520年。ラジオでの会話


男「ペルセウス座流星群が今晩ピークです。見えるか分かりませんが、運試し気分で空を見上げて見てください。」

女「見えたらかなりラッキーですね。しかし、暗い場所を探すのがかなり難しいんですよね」

男「そんな時は、オレンジのボタンを押してください。現在いるところの半径1km圏内で暗い場所をピックアップし、移動します。」


今夜は、ペルセウス座流星群がピークを迎えるらしい。ピークとは、要するに流れ星がいっぱい見えるという事。


流星群は珍しいと思いがならなんだかんだ年に3回くらいはニュースになる。ペルセウス座流星群、オリハルコン流星群、アデノニウス流星群・・・


今までとりわけ特に興味がなく、積極的に見ようとはしなかったのだが、今夜は今までとは違う。


「流星群見たいー。パパ流星群見えるところに行こうよ!」


反重力車に同席していた息子の要望だ。しょうがなく、帰宅ルートを変更し、オレンジのボタンを押し、暗い場所に行ってもらう。


しかしながら、文明の発達というのはいかがなものだろう。


人類は進化と共に便利さを手に入れたが、その反面、自然の美しさは無くなった。星も天然星は1割・人工星は9割といった具合だ。

だが、私も文明の便利さには大変お世話になっている。どうこう言える立場ではない。この反重力車も過去にタイムスリップ出来るような仕様になっている。


200年前、人類がノートPCとやらにせっせと文字を書いていた時代とは大きな変化だ。


暗い場所についたが、街灯は止まる事知らず燦々と太陽のように輝いている。こういう日くらい止めればいいのに。

街灯を止めればシステムの20%が崩れるといって政府は許可してくれない。生態系が崩れるというのだ。


「全然見えないね・・・」


頭脳明晰な反重力車が連れてきたところだが、全く星が見えない。この地球に暗い場所はないのか。


そんなこと考えていると、息子がどこかに消えた。だけど探さなくてもどこにいるのかは分かる。しばらく待つ事にしよう。


「パパ!この時代じゃ見えないから、過去に行って星を取ってきたよ!」

「何年に行ってきたの?」

「2020年!ペルセウス座流星が流れてたんだって!」


息子も成長したもんだ。自分でタイムスリップしておつかい出来るまでになった。


「じゃあ星を放つよ!」


大きめの布を開き、星を夜空に放った。


「見えるかなー??」


だが、何分たっても見えない。


もちろん大人の僕にはわかっていた事だが。


「見えないね。なんで見えないの?」


「明るいんだよ。周りが。もうこの地球では自然星を見れたらかなりラッキーとしか言えないよ。」


「そっか。。せっかく星を貰ってきたのに残念。。」

「せっかく、貰ってきた星だけど、2020年に返してきなさい。」



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あとがき

昨日流星群見たく、外を歩き回ったが全く見当たらなかった腹いせとしてこの物語を書きました。

未来からやってきた少年が2020年の流星群を集めたから、昨日は見れなかったという事で自分自身を納得させる事に成功。


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