腎不全について
腎不全ってどんな病気?
腎不全は腎臓の働きが低下し、腎臓が機能しなくなった状態です。
腎臓の働きは
①身体に不要な老廃物を排泄する(汚れをオシッコとして出す)
②水と電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)の量を一定に保つ
③酸塩基平衡を保つ(身体のバランスを整える)
④ホルモンを分泌する
⑤ビタミンDを活性化する
という沢山の働きがあります。
腎不全では、これらの働きが障害されます。
腎不全には、腎臓の機能が急激に低下する急性腎不全と、徐々に腎機能が低下する慢性腎不全があります。
一般的に、急性腎不全は予後は良好です。(比較的治る)
ですが、慢性腎不全は予後不良(ずっと病気と付き合っていかなければならない)です。
腎不全って何が原因?
急性腎不全(急性腎障害)の原因は、①腎前性、②腎性、③腎後性、の3つに分けられます。
①腎前性
腎臓そのものが原因ではなく、腎臓以外の原因で腎臓が悪くなることです。
脱水などで心臓の機能の低下により、腎臓まで血液を回せず、腎臓への血液の流れが悪くなると、十分な尿が作られず、悪くなります。
②腎性
腎臓そのものが原因です。あまり急性腎不全では発症しません。
③腎後性
尿路の原因で、尿管結石、膀胱・尿道が詰まるなどがあります。
尿路が閉塞されると、腎臓で作られた尿が流れなくなり、糸球体での血液の濾過が滞るようになります。
慢性腎不全の原因は、腎性です。原因疾患で最も多いのは、糖尿病性腎症です。糖尿病が原因で悪くなります。
急性腎不全はどんな症状が出現するの?
急性腎不全は、おしっこの減少が数週間続きます。
そのため、本来ならおしっこに排泄される窒素化合物(尿素、尿酸、クレアチニン)電解質、水分が体にたまります。
その結果、カリウムが高くなる、むくみ、高血圧がおこります。
腎臓では、貧血を予防するエリスロポエチンを分泌していますが、腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌量が減少するため、貧血になります。
急性腎不全は適切な治療を行えば、多くの場合は腎機能は回復します。
尿毒症ってどんな症状?
消化器症状(食欲不振、悪心・吐き気)
循環・呼吸器症状(むくみ、呼吸困難)
精神・神経症状(全身倦怠感、意識が悪くなる、けいれん)が、尿毒症の症状です。
尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物が排泄できなくなり、こられの全身症状が出現します。
腎不全ではどんな治療が行われるの?
急性腎不全は、原因が腎前性や腎後性の場合は、まずその原因疾患の治療を行います。
また、原因が腎性の場合と慢性腎不全では、食事療法、薬物療法、透析療法が行われます。
食事療法は、低塩分、低タンパク質、高エネルギー食が基本です。
タンパク質の摂取を控えるのは、腎不全ではタンパク質の代謝産物が排泄されないためです。
また、摂取タンパク質を有効利用するために、糖質と脂肪から十分なエネルギーを摂取します。病態に応じて、水分とカリウムが制限されることもあります。
薬物療法では、浮腫を改善するために利尿薬、高血圧を改善するために降圧薬が使用されます。
重症化した場合や、食事療法と薬物療法で改善が見込めない場合は、透析療法が開始されます。
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