可能性を秘めた法人だからこそ。
僕が勤めている法人は、戦後から今日まで約70年間も無料低額宿泊所事業を行なってきている。
また、東京都の路上生活者対策事業や山谷対策にも深く関わり続けている。
そんなウチの法人は、自らが実施してきた事業による社会的な影響をどのように自己評価しているのだろうか。
都が「無料低額宿泊所ビジネス」と称される貧困ビジネスへの規制に及び腰な理由として、「都が密接に関係していた複数の法人も"貧困ビジネス"と評される事業形態と大きく違わないものだったから」という客観的分析もある。
そういうことをウチの法人はどのように捉えているのだろうか。
関東圏における今日の無料低額宿泊所界隈の諸課題に、うちの法人の沿革が少なからず関与しているように僕には見える。
だからこそ僕はウチの法人に大きな可能性を感じている。
今も無料低額宿泊所や生活困窮者の支援事業を運営しつづけているウチの法人が「次の時代を見越したモデル事業」を興せれば、次世代のスタンダードを築いていく礎になれるんじゃないかと思っている。
ウチの法人はそれくらいのソーシャルインパクトを起こせるポテンシャルを充分に秘めている。
現に無料低額宿泊所という事業ひとつをとっても、「貧困ビジネス」と言われる施設とは一線を画するクオリティの設備や支援内容を創り上げるべく動き出している。
「貧困ビジネス」から「社会福祉事業」への転換が進めば、それ自体が充分にモデル事業となり得る。
次世代を見越した事業は「収容ありき」なものでなく、福祉の根幹である「健康で文化的な最低限度の生活」を保障するものにしていかなければならない。これは絶対。
口で言うほど簡単なことではないのは当然だけど、昭和や平成の時代と比べれば活用可能な社会資源が激増している今日ならば、実現可能性も飛躍的に高まっている。
『人間が想像できることは、人間が必ず実現できる』
そう僕は思っているし、現に僕の中では事業計画の輪郭が見えつつある。もう少しで実現できる。
そこそこの歴史や法人規模があるが故に、若造の僕なんかが法人へ与える影響なんてたかが知れてる。現時点では所詮微々たるもの。
だけど、それを「やらない理由」にする気は無いし、理論と実績を伴う実践的根拠を着々と積み上げていくしかない。
現状で既にめっちゃしんどいけど、まだまだ頑張ろ。
諦めたくない。