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【Interview Vol.12】 元相談者 山田さん(仮名)

川口が2024年4月の夜回りでお声がけした山田さん。
20年以上ひきこもり状態にあり、ご両親が亡くなったことをきっかけに
家を出ざるをえなくなりホームレス状態に。
アンドセンターに宿泊しながら家を探し、新たにお家を借りられました。
引越し後も就労リハビリの一環として、おかえりキッチンのお手伝いに来てくれています。そんな山田さんに川口がお話を伺いました。

――Homedoorとの出会い

川口:ちょうど1年ほど前。最初は夜回りで、駅のベンチで寝ていらっしゃるところにお声がけしたのが最初でしたよね。
その時、急に声をかけられてびっくりしませんでした?

山田さん:びっくりはしなかったですけど、「何かな?」って。

川口:お会いしたとき、足の皮膚がさけてしまうんじゃないかというくらいにパンパンに腫れ上がっているのが印象的で、よっぽど長いこと歩きはったんかなって。

山田さん:大阪市の方に来たら何か支援があるかなって数日かけて歩いてきたので足の裏の水ぶくれが破れて…自分で針を使って水を抜いた時に、不衛生やったんでバイ菌が入って腫れたんかなと思ってたんですけど。

川口:最初にお会いしたのが4月の夜回りでしたけれども、4月とはいえめちゃくちゃ寒くて。お会いしたら、「足が痛くて歩けないけど、歩かないと寒いからどうしようもない・・・」みたいなことをお話されていたのが印象的でした。

――相談に来られた日について

川口:夜回りの翌朝1番で、Homedoorに来られたんですよね。

山田さん:夜回りで川口さんに会った時に、足の治療のために無料で病院の受診(※無料低額診療事業)ができますよって教えてもらって、それを受けたいなって。それで相談に来ました。

※無料低額診療事業とは
社会福祉法第2条第3項第9号の規定に基づき、生計困難者が、経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることのないよう、無料又は低額な料金で診療を行う事業。

大阪市「無料低額診療事業について」よ

川口:ありがとうございます。急に「生活保護受けられますよ」とか言ったら、ちょっと怪しいかなと思って(笑)。
ただ、とりあえず足がパンパンに腫れてたから蜂窩織炎だと思って、「病院にいきましょう」とお伝えしました。その後、信頼関係を醸成した後に、生活保護申請の方法もあるとお伝えし、アンドセンターに宿泊いただきながら、家探しをして、生活保護を利用するっていう流れになりましたね。

――アンドセンターの第一印象

川口:アンドセンターの第一印象はどうでしたか?

山田さん:きれいなとこやなって。(無料で泊まって)ええんかなって。

アンドセンターの一室

川口:アンドセンター滞在中は、おかえりキッチンでランチを食べてもらってましたが、ご飯はどうでした?

山田さん:生野菜とか果物とかいっぱい出てきたのがよかったです。それまで便秘気味やったんですけど、アンドセンター来てからは便通も良くなったっていう話をおかえりキッチンの人たちともしていました。

おかえりキッチンでのお昼ごはん
(メニューは日によって異なります)

――おかえりキッチンでのボランティア

川口:山田さんは現在、毎日のようにボランティアとしておかえりキッチンをお手伝いくださっていますよね。経緯はどんな感じだったでしょうか?

山田さん:最初は、アンドセンターに貼ってあった『おかえりキッチンのボランティア募集』の貼り紙を見て行ってみたんです。おかえりキッチンの皆さん、理解があってすごい気遣いしてくださるから、居心地が良かったです。

おかえりキッチンでのボランティア風景

川口:アンドセンターを出て、ご自身のお家に引っ越された後もお手伝いに毎日来てくださってますよね。なぜ通い続けようと思われたんですか?

山田さん:支援してもらったことに全然返せてないし。おかえりキッチンでボランティアをしていると気分的にも安定するし。

川口:山田さんはひきこもりを20年続けていらっしゃったということで、急に働くことになるよりも、ボランティアという形の方が抵抗は少なかったですか?

山田さん:働いている感覚は、ほんまにないですね。家事手伝いとか、そんな感覚。

川口:すごい積極的に、お手伝いに来てくださって。

山田さん:ここは特別な場所ですからね。

川口:ありがとうございます。
(現在はお手伝いからさらにステップアップされて、シェアサイクルHUBchariのお仕事をしていただいています!)

――夜回りに参加した理由

川口:夜回りにも運営側として参加してくださっていますが、どうして参加しようと思ってくださったんですか?

山田さん:どんなんかなって。ずっと興味があって。

川口:参加してみてどうでしたか?

山田さん:皆さん和気あいあいとしてやってましたね。

川口:自分が受け取った時のこととか、思い出すことはありました?

山田さん:自分はしゃべりかけんなオーラ出てたんちゃうかなって思ったりしたんですよ。

川口:出てました(笑)

山田さん:困ってるオーラも出てたんかな。

川口:当時の山田さんの格好が、雨が降っていないのに防寒のためにレインコートを着てはって。でもそれでいて裸足で。スリッポンみたいなスリッパを履いてらっしゃって。両足が完全にパンパンに腫れているのが、遠目でも見えるくらいやったんで。話しかけんなオーラは出てましたけど、これは話さないとなって思いました。

夜回りの様子

――山田さんにとってのHomedoor

川口:山田さんにとってのHomedoorとは?

山田さん:なんでこんなにしてくれんのかなっていうのは思ってましたね。
先に与えるだけ与えてっていう感じもします(笑)。
とりあえず与えるんかなって。

川口:山田さん、いっぱいリターンしてくださって。

おかえりキッチンのスタッフに「山田さんを夜回りで声かけたの私なんですよ〜」って言ったらめっちゃ褒められて(笑)。
「すごいいい人リクルーティングしてくれましたね!」
「山田さんいないとやってられないですよ!」
「掃除全部やってくれてます!」
ってスタッフに言われて、わたしが鼻高々で(笑)。
ちょっと自慢しちゃいました。

今日はインタビューにご協力いただきありがとうございました!
また引き続きよろしくお願いいたします。

山田さん:よろしくお願いします。

▼こちらのインタビューはYouTubeで実施したものです。本編はこちら

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