沖縄市コザを舞台に、若年母子や貧困の問題に焦点を当てた、映画『遠いところ』
沖縄のコザで3人暮らしをしている17歳の母親であるアオイが主人公で、若者が陥る貧困社会に焦点を当てた映画『遠いところ』が公開されました。
※工藤将亮監督より写真転載の許可をいただきました
Homedoorスタッフが見た、映画『遠いところ』
こちらの映画をスタッフが鑑賞しました。以下、スタッフの感想をご紹介します。
映画、ではなく現実がHomedoorにはある
Homedoorでも若年層からの相談は増え続け、相談者の約半数は10代〜30代の若年層です。
Homedoorでは、貧困、虐待、若年出産といった過酷な現実に直面する主人公・アオイのような、若い女性からご相談をお受けすることも多々あります。
家賃、食費、生活費がなく頼れる人もいない、パートナーからの暴力、生活保護など使える社会資源についてそもそも知識がない、それを教えてくれる人も周りにいない・・・という逼迫した状況の中で、わたしたちは冷静に「正しい」人生の選択をできるでしょうか?
選択を間違えてしまったら、それは選択をした本人の責任なのでしょうか?
増加する困窮した若者の現状をふまえ、私たちは中長期滞在型の新シェルターを開設しました。衣食住と安心が確保された環境で専門の支援員に相談しながら、今後についてじっくり考えてもらえる場になればと考えています。
新施設『アンドベース』貧困と孤立状態にある人に選択肢と居場所を届けます
Homedoorには毎日、様々な相談が寄せられています。
「会社の寮を出なければならなくなり、ここ数日路上で寝ている」
「家賃が払えず今月末までに退去しなければならない」
「死ぬか相談するか、の思いで相談にきました」
というような、困窮により心身ともにギリギリの状態の方からのご相談は毎日全国から届き、相談の電話は鳴りやむことのない状況です。
気づけば、相談者数は約10倍になり、その半数が10-30代の若者、4人に1人が女性と、相談者層や当事者が抱える課題も変化してきました。
そして、少なくない数の方が、つらい状況にあるのは自分のせいであり、人に頼ること、行政に頼ることが申し訳ない、という気持ちを抱えておられます。 また、アオイのように頼れる人がいない方も多くおられます。
ホームレス問題は家族、健康、雇用などいくつもの不利が絡まり合い起こっており、その人が抱える問題も、ある方は失職と障害、またある方は虐待と病気など、複数の要因を抱えておられることが大半です。
だからこそ、アンドベースでは「じっくり向き合う」ことを大切に、長期滞在型のシェルターとして支援を展開していきます。
この問題に取り組むため、多くの方のご支援が不可欠です。
ぜひこの新しいプロジェクトを、毎月1000円からのご寄付とSNSの拡散で応援いただけますと幸いです!