見出し画像

60周年 名作選集 The Rolling Stones 2nd

人間1つのものに打ち込んで魂を注いで、その輝きが60年続くものってなかなか見当たらないと思う。還暦をゆうに超え、それでも尚世界を圧倒させるロックバンドがある。1962年に誕生し半世紀を超えてもまだまだ脂が乗ってて色褪せない楽曲、衰えないスタイルで魅了しその生き様はまさにロックの象徴である。

ちょっとカッコつけてみたが簡潔に言えば、STONESの60周年を祝おうという事です笑

楽曲紹介に入る前に筆者の小話を1つ…
僕がRolling Stonesに出逢ったのは幼稚園の通っているような小さい頃でした。父が元々好きで家にレコードやらCDは沢山あって、音楽に囲まれた幼少期でしてね。ある日父が大事にしていたRolling Stonesのアルバムを当時幼稚園児だった僕が隠れてコソコソ聴き漁ってたんです。それを誤って落としてケースが割れてしまってすげぇ怒られるかなと思ったら父は同じ感性で同じ趣味を持ってくれた我が子に怒ること無く褒めてくれた。それが僕のRolling Stonesの1歩目なんです。(落としたCDは「Steel Wheels」だった事までしっかり記憶している…)

さぁそれでは本編!笑
今回は第2弾!
前回をご覧になっていない方はそちらも是非!!

「Ruby Tuesday」
〜Keithが体験した実体験による失恋ソング〜

発売は1967年という事だが70’s、80’sと共にLIVEで披露された事は恐らく無かったかと思う…
ところが90年の日本公演では披露され我々日本人のファンの中にはこの楽曲が忘れられない人も多いのではなかろうか?
僕も擦り切れるほどVHSで来日公演見ましてTuesday=火曜日という認識が幼い頃からありました。作詞作曲どちらともKeithの単独作であり、何気ない火曜日もKeithの手に掛かれば名曲の種です。

「Let's Spend the Night Together」
〜後に映画タイトルにもなる名曲〜

前述した「Ruby Thesday」との両A面ソング。打って変わってこのポップ感が何とも堪らない。人気番組エド・サリヴァン・ショーで歌詞のすり替えや後に中国公園では披露を阻まれたりとお騒がせソングなのだが笑
後に81年のツアーの模様が映画になった際のタイトルにもなっており邦題より原題である「Let's Spend the Night Together」としての方が有名かもしれませんね。数年前こちらの映画もZeppの方で上演されていましたが公演日のコンサートの動員数が1回で10万人という事でヘリコプターなどでの空撮のシーンで海外アーティストのスケールのデカさに度肝を抜きます。

「She's a Rainbow」
〜サイケ真っ最中にポツンと光るポップス〜

1967年という年は音楽界においてサイケデリックロック、サイケデリックムーヴメント
いわゆるサマー・オブ・ラブというものだ。
BEATLESの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」にコンセプトやもはやジャケットすらも模倣された作品に取られがちだが、STONESの新しい流行に対するアンテナの張り方が感じられる1枚だ。流行に目一杯舵を切って、随所に自分達のルーツは残しつつ演る。いつだってSTONESはそうだった。そして一方でやはりBEATLESは時代の先端を走り様々なアーティストの目標、手本になった事も忘れてはいけない。

「Jumpin Jack Flash」
〜もう二度と出せない時代が産んだ音〜

前作が大きくサイケ寄りに傾いたSTONESでしたが、ここで原点回帰するように会心のストレートパンチが繰り出される。いつ聴いても気合いが入る最高のロックンロール・ナンバー。
CD音源ではイントロはコードストロークからWatch itの掛け声で始まりますが、ほぼ毎回披露されているLIVEでは省略されリフから始まる不思議さ。一度でいいから完全版を聴いてみたいと思うのはわがままでしょうか?笑
後半、マラカスで音楽的に広がり過ぎないのも良い。あと完全に余談ではありますが、今年乃木坂46の新曲の中に「ジャンピングジョーカーフラッシュ」という曲がありまして笑
(セットリストの記載の際にSTONESはJ.J.Fと記すが乃木坂46の方も略した際にJ.J.Fとなる笑)好きです、こういう大胆なオマージュ!歌詞もどことなく雰囲気漂わせていて是非こちらも聴いてみて欲しいです!

「Sympathy for the Devil」
〜パーカッションを用いた新たなグループ感〜

コンガやマラカスという楽器がこんなにロックになるなんて...裏で歌っているWoo~Woo~がこんなにカッコイイなんて…その全てを覆すロックの概念を変えるような仕上がり。【Nicky Hopkins】のピアノの功績も忘れてはいけない。攻撃的なボーカルを邪魔しない様に核になっており、皆が皆与えられた仕事をこなした結果がこの良品に繋がっている。
そしてなんつっても全カタログを探してもここまで突き刺す様に冴え渡るKeithのソロ。発売当初は【Eric Clapton】が弾いたなんて何とも失礼な話も出たくらいに完成されたものであります。レコーディングではベースも担当しておりクリエイティブでテクニカルな部分が前面に出ている。

「Street Fighting Man」
~時代に耳を傾けたプロテストソング〜

歴史の教科書を開いて勉強するのと同じ様に
その時代に何を歌っていたかでも世界情勢や環境が分かるのがSTONESの音楽。今でいう世間のインフルエンサーとしてネガティブなワードや問題提起を積極的に行い、時事ネタからも目を背けないスタンスなのだ。当時イギリスでは発売中止になったそうだがその対応に寄せたコメントも流石といったものだった。強気なメッセージが込められた中でサウンドは「Jumpin Jack Flash」同様、アコースティックギターで演奏されており、展開していくと異質を放つBrianがインド発祥のタンブーラという楽器を奏でていますので是非そちらも気にしながら…

「Salt of the Earth」
~彼らにしか書けない強いメッセージソング~

イントロの4行はKeithがボーカルを務め、その後Mickがそれに続くという構成。現代では、映画「Rock and Roll Circus」が簡単に見られるようになり、肩を寄せ合いながら歌うシーンが印象的。あまりコンサートでは披露される事の少ない楽曲ではあるがその一方で9.11後、様々なアーティストが集まって行われた慈善コンサートでも披露されるなどメンバーにとってもそしてオーディエンスにとっても重要なフェイバリットの1つ。

アウトロの【Nicky Hopkins】によるピアノがこの楽曲も含め収録されている名盤「Beggars Banquet」全編にわたって欠かせないピースになっている事は確かだ。

「Honky Tonk Women」
~バンド再出発に相応しいオープンGナンバー~

前任ギタリストBrianの死去後、後任ギタリストを務めた【Mick Taylor】加入後初参加の楽曲。Brianとはまた違う良さを持ち、楽曲の幅を広め彼にしかできないプレイで魅了します。MickやKeithとは5歳ほど歳下であり、それでいながらこの堂々とした立ち振る舞いは流石です。

Keithの専売特許、オープンGナンバーという事で筆者が一番最初にコピーした曲でもあります。イントロは開放弦のみだったりするしシンプルでいてかつカッコ良い。でもやっぱり弾き方とかも真似してもKeithのカッコよさには届かないんですよね。仕草、スタイルを込みでやっぱりギターヒーローなのであった。

「Gimme Shelter」
~世代を越え、どの世代にも引き継がれる佳曲~

この曲が歌われていた1969年当時からいつの時代も避けては通れない争いという強いメッセージを込めた楽曲になっていて、STONESの強みはこういったエネルギーのあるものを自分たちのフィルターを通して作品にできることがいつの時代も様々な世代を動員できる秘訣。
【Merry Clayton】の間奏の悲痛な叫びとも取れる歌声にも頭が上がらない...

しかし残念ながら69年の暮れ、オルタモントの悲劇としてSTONESは60年代の幕を閉めたのだ。その模様が映画「Gimme Shelter」として収められている。

「Midnight Rambler」
~ほぼ全てのツアーで披露された中心曲~

この楽曲の良さが初めて解ったのはSTONESを好きになってから相当時間がかかった気がします。
まだ知りたての頃はあまりにも長々と演るもんだから30秒スキップしてました...笑
それでも飛ばしても飛ばしてもまだ「Midnight Rambler」という思い出があります。
いつから印象が変わったかと思うと、恐らくギターを実際に自分で弾くようにかなってからです。
歌のない部分を埋めるプレイヤーのレベルの高さに気づいてそのグルーヴを楽しめるようになりました。何度もコンサートで披露されてはいますがパッケージはそれぞれ違い、【Mick Taylor】期の「Midnight Rambler」も後に加入され現在にも繋がる【Ron Wood】期の「Midnight Rambler」もそれぞれの強みを活かしたその瞬間にしか出せない音になっている。


さぁ本日はここまでっ!!
第二夜は発表から半世紀経った今でもなおLIVEで披露されるバンドの中心曲をお送り!
メンバーの死を乗り越え第三夜に続きます。

いいなと思ったら応援しよう!