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長渕剛の軌跡:反骨精神と生き様を貫くシンガーソングライター



1・生い立ちと音楽の原点


1956年鹿児島県で生まれた「長渕剛」さんは、豊かな自然に囲まれた環境で育ちました。

彼の父親は柔道をやっていた事もあり鹿児島県の鹿屋かのや警察署の機動隊に入隊し、 その後、鹿児島県警のマル暴(刑事部捜査第四課)として組織犯罪の取り締まりを扱っていた方で、とても厳格であり、その影響もあってか幼少期から「自分を貫く強さ」をつちかい、地元鹿児島の風土は彼の中に強い自己主張反骨精神の種をまきました。


高校時代にはギターを手にし、音楽を通じて自己を表現する喜びに目覚めます。
この頃から、彼は自身の人生観や社会への批判を音楽に反映させるようになります。

長渕さんの音楽の根底には、鹿児島の大自然や幼少期につちかった価値観が深く影響しており、彼の音楽の原点は、人生や自由を追い求める情熱とともに築かれていったのです。




2・シンガーソングライターとしてのデビューと再デビュー


1977年、長渕剛さんは「雨の嵐山」でシンガーソングライターとしてデビューしますが、当初は思うような活動ができず一時地元・九州に戻ります。

雨の嵐山」レコードジャケット(引用元:だるまや)


しかし、彼は音楽にかける情熱を失わず、1978年に「巡恋歌」で再デビューを果たしました。

巡恋歌」アナログジャケット(引用元:snow records)

この曲は、失恋の切なさをリアルに描いた情熱的な楽曲で、彼の独特な感性と音楽性を初めて世に示した一曲です。

作詞作曲を長渕さんが手がけ、編曲にはギタリストの鈴木茂が参加しました。

巡恋歌」はオリコン最高位173位でしたが、1992年に再リリースされた「巡恋歌'92」ではオリコン1位を獲得し、長渕剛さんの代表曲として広く親しまれるようになりました。

この成功が、彼のシンガーソングライターとしての地位を確立するきっかけとなり、後の活躍に繋がっていきます。

「長渕剛 LIVE`92 JAPAN IN Tokyo Dome 巡恋歌」
(引用元:YouTubeチャンネルyawaragi)




3・社会批判と反骨精神の形成


1980年代に入ると、長渕剛さんはシンガーソングライターとして独自の地位を確立し、音楽スタイルも個性的で力強いものへと進化しました。

彼の楽曲には、ただのラブソングではなく、社会に対する批判人生の苦悩を描く深いメッセージが込められています。


STAY DREAM」アルバムジャケット
(STAY DREAM|DISCOGRAPHY|長渕剛 OFFICIAL WEBSITEより引用)


特に「STAY DREAM」などのアルバムでは、「夢を諦めずに追い続ける強さ」や「自分を貫く生き方」を表現し、多くのリスナーにとって人生の指針となるメッセージを発信しました。

こうした楽曲の中に表れるリアルな感情反骨精神が、ファンに深い共感を与え、長渕さんの音楽は「人生をともに歩む存在」として支持され続けていきます。




4・ドラマ「とんぼ」への出演とその社会的反響


1988年、長渕剛さんはTBSドラマ「とんぼ」で主演を務め、彼自身の価値観や人生観をキャラクターに投影しました。

【懐かしT V】ドラマとんぼ!【長渕剛】【哀川翔】第一回『アニキが帰ってきた街』
(YouTubeより)


過酷な環境の中でも自分の信念を曲げず、家族や仲間を大切にする主人公の姿が多くの視聴者に強い印象を残しました。

ドラマと同名の主題歌「とんぼ」は、彼の代表曲の一つとして今も歌い継がれています。


ドラマ「とんぼ」での象徴的なシーン


作中で、長渕さんが演じる主人公が刑務所から出所し、舎弟役の"ツネ"こと哀川翔が車で迎えに行った後の車内で、哀川翔がラジオのチャンネルを合わせていたらサザンオールスターズの「みんなのうた」がカーラジオから流れてくるシーンが話題を呼びました。

長渕剛と桑田佳祐の確執のワンシーン2014紅白どうなる
(引用元:YouTubeより)

この場面で、長渕さんが「こんなクソみてーな歌消せコノヤロー!!」と叫び、運転席を蹴りながら「日本人舐め腐ったようなコノヤロー」と吐き捨てるシーンは、彼の音楽に対する独自の信念反骨精神が垣間見える瞬間として、視聴者に衝撃を与えました。




5・伝説の桜島オールナイトライブ


2004年、長渕剛さんは故郷・鹿児島の桜島で「桜島オールナイトライブ」を開催し、約7万5千人のファンを集めました。

この一夜限りのライブは「ファンと共に夜を越える」というテーマで行われ、長渕さんの人生哲学故郷への深い愛が込められた特別なイベントとなりました。

その時の様子「04.8.23 KKB "長渕剛桜島ライブドキュメント"
(YouTubeより)


桜島の大自然を背景に、彼の熱いパフォーマンスは夜を徹して続き、観客と一体となって圧倒的なエネルギーを生み出しました。

このライブは、日本の音楽史に残る伝説的な出来事として語り継がれており、彼のファンにとっても忘れられない体験です。




6・清原和博との関係と友情


長渕剛さんは、元プロ野球選手の「清原和博」氏と親しい友人関係であったことでも知られています。


清原氏が試合の登場曲に長渕さんの「とんぼ」を使用していた事は広く知られ、この曲は清原氏にとって人生に欠かせない一曲で、2008年に清原氏がプロ野球選手として現役から引退をする際のセレモニーでは、長渕剛さんが清原氏の最後の花道を飾るために球場に駆けつけ、生で「とんぼ」を熱唱するという感動のシーンがありました。

<清原引退セレモニー>涙を流す清原(左)と「とんぼ」を熱唱する長渕剛(2008年撮影)
(引用元:スポニチ)


とんぼ」には長渕剛さんの反骨精神が色濃く表れており、清原氏もまたその精神に強く共感し、試合での気持ちを奮い立たせていたとされています。

しかし、後に清原氏が"覚醒剤取締法違反"で逮捕されたことを機に、二人の関係にも距離が生まれたとされています。



それでも「とんぼ」は清原氏にとって象徴的な一曲であり、彼の中で長渕剛さんの存在が心の支えとなっていたことがうかがえます。





7・浮名を流した恋愛エピソードと家族観


長渕剛さんは多くの女性との噂が絶えない一面も持ち合わせています。

彼は1987年に女優・志穂美悦子さんと結婚しましたが、その後も浮名を流し続け、メディアでも数々の不倫報道が取り上げられました。

志穂美悦子」(引用元:美ST)


「国生さゆり」との不倫騒動

1990年代には、タレントの「国生さゆり」さんとの不倫報道で世間を賑わせました。

国生さゆり
バレンタイン・キッス(引用元:snow records)


長渕剛さんはこの騒動に対して、志穂美悦子さんとともに報道陣に堂々と対応。
その姿勢がファンや世間に強烈な印象を残しました。

当時のワイドショーのインタビューの様子(Xより)


飯島直子や冨永愛との噂

また、長渕剛さんはタレントの飯島直子さんやモデルの冨永愛さんとも噂になったことがあるようです。

飯島直子さんとはテレビで共演し、彼の音楽や生き方に惹かれていたとされる一方で、冨永愛さんも彼の生き様に心酔していたと言われています。

引用元:Net Break


こうした関係はメディアでも報じられましたが、長渕剛さんは特にコメントすることなく、彼のイメージや人気が揺らぐことはありませんでした。

彼の恋愛観は自由奔放でありながらも、家庭への責任感を持ち、ストイックな一面も併せ持っています。

この多面的な魅力が、ファンにとっても興味深い存在であり続ける理由の一つであるのかもしれませんね。




8・桑田佳祐との確執とファンの反応


サザンオールスターズ桑田佳祐さんとの間で起きた確執も話題です。

セクション4で触れたドラマ「とんぼ」でのワンシーンの、事の発端は以下のような事情があったようです。

長渕剛はもともと桑田佳祐の音楽に対する姿勢や情熱に感銘を受けていた。

当時のジャム、今で言うフェスの打ち上げとかで音楽の話を熱く語る桑田佳祐を見てこいつはすごいと思っていたらしい。

だから長渕剛はこいつともっと仲良くなりたいと思っていたようだが桑田佳祐は相手にしなかったらしい。
というか何とも思っていなかった。

そんな時、サザンのライブにゲストで出た長渕剛にステージ上で桑田佳祐は頭からビールをかけそれに長渕剛は激怒。

それ以降、桑田佳祐のことを非難する発言が目立つようになった。このドラマのシーンなんかはそのひとつ。

それに対して桑田佳祐も当然黙ってはいない。94年に長渕剛を痛烈に批判した「すべての歌に懺悔しな」を発表。

それによって一悶着あったけど、長渕剛の大麻所持逮捕により事態は収束。長渕剛は出所後に桑田佳祐を非難するいわゆるアンサーソングを発表し、完全に騒動は終わった。

それ以降、桑田佳祐は当時の長渕剛を非難した「すべての歌に懺悔しな」をライブなどで歌うことはもとより、自身のラジオでかけることもなく完全に封印した模様。

出典:YouTubeコメントより


かつて長渕さんは桑田さんの音楽に感銘を受け、交流を深めたいと考えていましたが、イベントで桑田さんが長渕さんにビールをかけた一件から関係が悪化します。

桑田さんは後に「すべての歌に懺悔しな」をリリースし、長渕剛さんに対する批判的な内容が注目されました。


すべての歌に懺悔しな」(引用元:YouTubeより)


この出来事はファンや音楽業界でも話題となり、両者のファンを巻き込んだ一大エピソードとして語り継がれています。




9・噂と世間からの評価:若林志穂の告発騒動


さらに、長渕剛さんに対する批判的な報道として、元女優・若林志穂さんによる性被害の告発が挙げられます。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm43323491


この告発は証拠が提示されず、事件としても裁判には至らないままメディアで取り沙汰されましたが、アンチの間では彼を批判する材料となりました。


長渕剛さんはこの件についても表立った反応を示すことなく、時間とともに話題も収束しています。

引用元:日刊ゲンダイDIGITAL




10・長渕剛の人生哲学と名言


長渕剛さんの人生哲学は、彼の歌詞やインタビューの中に色濃く表れています。

彼は「人生は戦いだ」「負けない心」といった言葉を通じ、人生の試練や苦悩に向き合い続ける姿勢を示しています。


このメッセージはファンにとっても励ましや指針となり、彼の音楽を超えた影響力を象徴しています。

ドラマ「しゃぼん玉」での印象深いシーン
(YouTubeより)


まだまだ現役のシンガーソングライターとして活躍している長渕剛氏、2024年5月21日にはアルバム「BLOOD」をリリースされ、またメディア活動の面ではご自身のYouTubeチャンネルも開設し、能動的に活動していらっしゃいます。




11・長渕剛の名曲紹介


「とんぼ」


(引用元:Re:minder)

長渕剛の代表作と言ってもいいほど有名な曲です。
しゃぼん玉」の次に売れた曲で、ミリオンセラーを達成しています。


「乾杯」


引用元:UNIVERSAL MUSIC JAPAN

当時は結婚式の定番ソングとして日本中でこの曲が流れていました。
現在でも年代が近い方はこの曲をカラオケでよく歌われるのではないでしょうか。


「かたい絆におもいをよせて、語り尽くせぬ青春の日々」で始まる歌詞ですが、2番の歌い出しで「キャンドルライトの中の2人を、今こうして目を細めてる」という表現があり、友人の結婚式のために書き下ろした曲だというのがよくわかります。

「遥か長い道のりを歩き始めた、君に幸せあれ」このフレーズは人々の心を打ちました。


「しゃぼん玉」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

この曲もテレビドラマの主題歌だった事もあり、長渕剛氏の作品の中で一番売り上げ数が多い曲です。


「巡恋歌」


引用元:snow records

この曲で再デビューを果たしたという事で長渕氏の中でもおそらく思い入れが深い曲なのではないでしょうか。


「祈り」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

長渕の実体験に基づかれて製作された楽曲であり、かつて交際していた女性が急逝した事を題材としている。
初期ライブにて演奏されていたが後年になりライブで演奏される事はなくなった。

出典元:Wikipedia


なんとも切ないストーリーですね。
この物悲しい物語に優しいメロディーが特徴的で、初期の頃の長渕氏の名曲です。


「素顔」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

この名曲は今のこの令和でも通用するぐらい女性の心を見事に捉えた素晴らしい曲だと思います。

"気まぐれだったら やめてちょうだい"
"本気で好きになりそうだから"
"あなたの前では きれいでいたいし"
"かわいい女でいたいの"
"厚化粧は嫌いでしょう でも今の私"
"昔の私じゃないから"

男性がこの歌詞を書けるなんてすごいですよね。


「カラス」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

この曲は私が若い時にすごく心に響き、印象的な歌い出しのフレーズ「執念深い貧乏性が情けねえほど染み付いてる」は今でもまだ心に刺さったままです。


この名曲「カラス」について誕生秘話を長渕剛氏本人が語っています。


「ろくなもんじゃねえ」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

この曲もまたテレビドラマ『親子ジグザグ』の主題歌として売り出され、当時はTVの音楽番組が全盛期でしたがその中で見事に1位になった曲です。


「順子」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE


この曲が発売された当時は私はまだ小さい子供でしたが、この曲を大人になって聴く度に心が洗われるような純粋な気持ちになります。


「しょっぱい三日月の夜」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

この曲は長渕剛主演の映画『ウォータームーン』(1989年)の主題歌として使用された曲です。

オリコンチャートでは最高位1位、登場回数19回で、売り上げ枚数は34.4万枚です。


「泣いてチンピラ」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

オリジナル・アルバム『LICENSE』(1987年)からのシングルカット曲で、曲の最初から「泣いて、泣いて、泣いて、チンピラになりてえ」という強烈なフレーズが頭から離れない、とても印象深い曲です。


「STAY DREAM」


引用元:TSUYOSHI NAGABUCHI OFFICIAL WEBSITE

そして最後にこの名曲をご紹介して終わりにしたいと思います。

歌詞にある「くよくよするなよ、あきらめないでJust like a Boy」という部分からは、「人が抱える悩みや挫折、そういったものに負けないで頑張れ!」みたいな感じで何というか、今困ってる人や立ち止まってる人達を応援してくれる、そんな素敵な曲です。


このライブパフォーマンスは息が止まるほどにカッコよくて、思わず画面に魅入ってしまいます。
オーディエンスの熱狂が彼のカリスマ性を代弁していますね。

引用元:YouTube


まだまだ沢山良い曲があるので、ぜひ興味を持った方は長渕剛の曲を聴き漁ってみるのをお勧めいたします。




12・まとめ


長渕剛さんの音楽と人生には、彼の生き様そのものが刻まれています。

桜島での伝説的なコンサート、清原和博氏との友情、数多くの恋愛エピソード、桑田佳祐さんとの確執、さらには世間の評価や批判をものともしない姿勢まで、彼は一貫して「自分の信念」を貫き、時代に影響を与え続けています。

長渕剛さんの音楽と生き方は、これからも多くの人々にとっての「生きるための歌」として、共にあり続けることでしょう。


引用元:YouTubeチャンネル「ReHacQ−リハック−【公式】




という事でこの辺で記事を締めくくりたいと思います。

ここまでお読みくださって誠にありがとうございます。

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