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「レッド・ワン」クリスマス映画がめっちゃよかった!!!!!!!!!!!!!!!!
今日から公開されたてほやほやの映画「レッド・ワン」。
予告で観てからぜったい観たい!!! と思っていた。私が好きそうな要素しかない。あらすじは、サンタが誘拐されてしまって、サンタの補佐役と脛に傷を持つ天才ハッカーが協力しながらクリスマス前夜、サンタ奪還のために奮闘する物語。予告からしてアクションものだと分かる。わくわく公開初日の初回に行って、それがもう期待以上の出来で、すこし時期は早いけどクリスマス映画っていいなあ、と強く感じた。クリスマスの軽快なBGMとともに物語が展開するので観ている間じゅうずっと陽気になれる。戦闘も賑やかで、声を出せるなら出したいくらい派手だ。誰もが予告を見て悟るように、この物語はハッピーエンドで終わる。クリスマス映画って、たぶんだいたいそうなのだろう。クリスマスに陰鬱なお話は似合わない。現実世界から一皮むけば隣り合わせに幻想の世界が広がっており、作品のファンタジー要素は「レッド・ワン」一作では惜しいくらいに豊富だ。続編を、続編をください……。もっとこの世界観に溺れていたい。アクション部分はもちろんのこと、ヒューマンドラマとしても感無量、最高だなあ最高だなあと思い返しながらエンドロールを聴いていた。今年観た映画の中で二番目に良いです。一番は不動の「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」ですが、まあこれは殿堂入りなので……。
いい映画はパンフレットも買いたくなるものなので、観終わったあとに売店につかつか立ち寄って、「レッド・ワン」のパンフを買った。家に帰ってさっそく読む。「レッド・ワン」のしいてもの欠点と言えば、このパンフの内容が少し浅いことだろうか。ほかの良作映画みたいに、主演俳優とかからのコメントがあるかな~と読み進めたら、なかった。あらすじを繰り返し記述しているだけで少し物足らない。知らない日本の映画評論家の対談もちょっと衒学じみていて臭い。ともあれパンフの最後のほうのページに、他のクリスマス映画紹介があって、目を通した。すると、私が好きそうなのが一つあった。
映画「バイオレント・ナイト」がそれである。
物欲主義な子供たちばかりで、お疲れ気味のサンタクロースは、体に鞭を打ち良い子にプレゼントを届けるため、クリスマスイブの空を駆け回っていた。とある富豪ファミリーが盛大にクリスマスパーティーを開く豪邸に降り立ち、煙突から部屋へ入ったサンタが偶然鉢合わせたのは、3億ドルの現金を強奪するため潜入した武装集団だった。
あらすじと予告を触れるに、サンタが悪者を成敗する物語らしい。R15。つまりちょっと血の気が多いというわけだ。私は迷わずサブスクでレンタルした。
これがまあ……バカみたいに面白くって……朗らかなクリスマスソングのBGMとともに敵を虐殺するサンタが最高で……血もどばどば流れる。とはいえR15なのでそこまでグロくない。殺されてほしい~! と思った人間どもがきちんと死んでくれる。南無阿弥陀仏。どのコマも見どころかわかりやすい伏線ばかりで、時間つぶしには最良だ。最後のほうは私も中指を立てながら郎党皆殺しにしろぉ! と叫んで画面に見入っていた。果たして悪人はみんな死ぬ! いやあもう気持ちがいい!!!
映画の評価ほど難しいものもない。これが例えば読書の領分ならば、私も少しはその良し悪しを判断できる(と思い込んでいる)。それがこと映画になると、私はまったくの門外漢なので、不安になってしまう。私は映画「ジョーカー2」がゴミクソだと思っているが、noteのフォロワーの中には、いやあ僕は大好きでした! なんて平然と言ってのける輩がいる。あるいはこの前見た「ヴェノム」の最新作、私は大好物だったけれど、そいつの感想を観たらイマイチだったらしい。こんなにも評価が食い違うと、本当に同じ映画を観ているのかと戸惑う。なにやら向こうのほうが映画に詳しいらしいし、私の見方が間違っているのか……? そう塞ぎこみたくなる。
ただ肝心なのは、自分の尺度を持つことだ。私は幸い、読書でそれを知得していた。べつに、他人が詰まらないと罵ってきたところでどうでもいいじゃないか。他人が名作だと言ってのけてきても、自分にとって刺さらなかったらそれまでだ。どの物語も一様の味わいであるわけがない。あるべきではない。私は私なりのものさしで、物語を読み解いていく。誰にも否定させない、私の何よりもの尺度は、作中の血の量である。血なんて流れれば流れるほど良いので。
映画「バイオレント・ナイト」は殺しかたが実に上手で、たくさんの殺戮に飽きることがない。あいにく血の量No.1の神映画「アビゲイル」には及ばないが、ゴア描写はなかなか堂に入っている。「ホームアローン」のパロディで娘が悪党を罠で串刺しにするのもたまらない。超人的な能力で敵を倒すのも見どころのひとつだ。現実的じゃないなんて評価は全くナンセンス。映画なんてたいがいフィクションだから、せめて物語では、勧善懲悪が為されてほしい。悪は息絶え、善が芽吹く。悪が咲き誇り善が息絶えるような現実ではありえない。それでもスクリーンの中では、夢見ていたいじゃないか。悪党どもが血しぶきを上げ息絶える様を。火あぶりにされる結末を。その意味で「バイオレント・ナイト」はすっごく良かった!!!!!!!!!!!!!
クリスマス映画に間違いはないのだとわかった。きちんとサンタさんが勝つ。私も、本当はサンタさんがいるのかもしれないと思った。サンタが両親だなんてデマゴーグは陰謀論者のたわごと、この世界にはサンタさんが実在するのである。あいにく私は悪い子だから、ここ十数年はサンタさんの恩恵にあずかっていない。しかしまだクリスマスまでひと月ある。サンタさん。読んでいますか。北極に、私の声は届いていますか。明日から酒もタバコも辞めます。好き嫌いせずブロッコリーもちゃんと食べます。良い子にします。だからどうか、今年は、私にプレゼントを恵んでください。私が今いちばん欲しいものは家族です。サンタさん。何ならカリフラワーも食べますから、どうか叶えてください。サンタさん、聴こえていますか?
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映画を見終わった帰り、サッポロファクトリーをぶらぶらしていると、建物中央のホールにクリスマスツリーが飾られていた。吹き抜けを活かしてとても大きい。夕刻になると電飾のイルミネーションがあって、ちょっとしたデートスポットになるのだ。サンタさん。私はこのクリスマスツリーを夜に一緒に見に行くだれかがほしいです。お願いします。
昼メシにスープカレーを食べた。ブロッコリーが入っていた。サンタさん、ぼくは好き嫌いはしません、見てますか? 私はそう念じて食べた。案外、美味しかった。