雑記
◎酒類が10月から値上げされるらしい。せっかく禁酒しようとしていたが、値上がってからにしようと、相も変わらず夜になるとのむ生活をしている。たぶん来月からは禁酒ができるだろう。健康診断も近い。酒は安いうちに飲め、みたいな格言があった気がする。これが最後これで最後と念じながら、缶チューハイのプルタブを引く。生きている実感はその瞬間に詰まっている。
◎角川歴彦が逮捕されたとき、ツイッターで「角川 不買」と調べてみた。多くは難しいだとか、作家さんがかわいそうとかいう意見が並ぶ中、意気揚々と不買だ不買といきりたっているツイートがあった。読んでみると、今まで角川の本なんて買ったことも読んだこともないという。それはそれでどうなのだろうと思った。
〇出会いがないので私は10月~12月に発情期を迎えるのでいつまでも一人ぼっちなのでどうしようもないので、もう誰かと知り合うには、政治か宗教絡みしかないように思えた。国葬の献花、たとえばそれはどうだろう。喧嘩の列に並び、花を供える。そのとき、ふと花を添えるもう一つの手が出てきて、お見合いしてしまう。はたと見やると女性だ。向こうの持っている花を見た。椿。花言葉は謙虚な美徳。その形容がふさわしいくらいおしとやかななりをしている女性だった。私と彼女は献花を終えて、国葬の列から離れた。ちょうど昼時だった。私はご飯に誘った。彼女は承諾した。いきたいところがあるんです。彼女が水を向ける。私はそこに行こうといった。街中の、平凡な喫茶店。正面扉には本日休業と書かれてある。休みみたいだ、と私は言った。ここはいつもそうなの。彼女は慣れた風に答えて、ドアを3回ノックした。
「ノー?」
扉の向こうから声がする。
「マスク」
彼女はよどみなく答えた。たしかに彼女はノーマスクだった。
「反?」
「ワクチン」
「国葬?」
「賛成」
扉が開いた。そういう出会いを夢想した。「札幌 国葬 献花」で早速調べた。やってなかった。こんな妄想ばかりだから今年も一人で冬を迎えることになりそうだった。
◎ブックオフに行ったらS・J・ローランの文庫本が大量に落ちていた。迷わず買った。彼女の著作のひとつは、こんど創元推理文庫で復刊される。「冬そして夜」復刊一覧を見てから読みたいと思っていたのでうれしい。創元推理文庫の復刊は、毎年一作クロフツが選ばれるので、今年は何かなとみてみたら、持っているやつだった。「フレンチ警部の多忙な休暇」とかが来年には復刊してほしい。
〇本屋で本を買うんだね。そう言われた。amazonとか使わないの? そりゃあどうしても手に入らないような本はamazonに頼るが、本は一期一会だとわけのわからぬ考えを抱いている盲信者なので、どれだけ古い本でも復刊や、あるいは古本屋の一隅で、巡り合えると信じている。現に、梶龍雄は今年になって徳間から2冊復刊された。待っていればこうして日の目を浴びて手に入る本がある。だいたい古いミステリはamazonでは高値で、いちいち買っていたら破産してしまう。たとえば鮎川哲也「夜の疑惑」(春陽文庫)。amazonでは100,000円前後の一冊である。ブックオフで100円棚に並んでいるのを見つけた時には、夢かと思った。家宝にした。あとは鮎川哲也「海辺の悲劇」に出会いたい。amazonでは50,000円。ガチャが250連回せる。光文社あたりで復刊されることを祈っている。今年になって鮎川哲也「風の証言」「死のある風景」が光文社から再刊されたので可能性はゼロじゃないだろう。まあただ、復刊されないのは復刊されないなりの理由があって、「夜の疑惑」をいざ手に入れて読んでみると、なんでこんなつまらない短編ひとつに12万もするのかと首を傾げた。それでも手に入りづらい一作を読みたくなるのは収集家の悪癖であり、つまらないだろうとはなんとなく分かりつつも、「海辺の悲劇」にしか収録されていない短編を、私はいつか読んでみたい。できれば安価で。
◎私のハマっているソシャゲ、アークナイツが、来月アニメ化されるらしい。うれしい。私はどんなゲームでも、定石を嫌って、強キャラ以外を好んでしまう。ポケモンでいえばマイオナ、カードゲームならファンデッキ、あまり人の使わない人と違うものを、実力もないのに駆使しようとする。結局自分が損するのにね。本だってそうだ。みんなが読む本を読めば、もっと読書つながりの気の置けない友人がひとりふたりできていたろう。どうして、どうしてミステリで中山昌八を推すだろう。ポケモンでトロピウスが最強だと言うのだろう。漫画は佐渡川準のPUNISHERが名作だと吹聴するのだろう。歌は左近誠道「リーフ」が最高だと豪語するだろう。結局ぜんぶ逆張りばかりの、安っぽい己だ。しかしそんな生き方でともあれ四半世紀を過ぎて、もうほかの生き方を想像できない。ノーマスク反ワクチン国葬賛成派の女を今は探している。そんな人はどこにもいない。どこにもいないんだよ。
〇我がアークナイツのロドス最強の一画、アカフユを見てくれ。武士だ。最強というやつだ。
最初のほうこそ好んで使っていたが、後半になって使い勝手が悪くて、レギュラーメンバーから外れて久しい。今やテンプレとでもいうべき、バグニンカ軸のパーティを使っている。
もっと早くからそうしておけば、楽だったのにね。有名なものは有名なりに強いものは強いなりに、それぞれ理由があるとわかった。アークナイツのアニメが放映される頃には、ゲームの新章が実装される。そこで登場する新キャラのために、今はただただ周回している。
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