気まぐれなアメリカのデザイントレンド解説:パーソンズのいろんな学部の卒展に遊びに行ってみた
5月下旬。今、アメリカは大学の卒業シーズンです。
同じ学校の色々な学部の卒業制作展の案内もあり、ちょっとしたオープンキャンパスのような雰囲気になっています。
私も気になる学部、「ここ面白いよ!」と友達から教えてもらった学部の最終プロジェクトの展示が、学内や街中で行われていたので、顔を出してみていました。
BFA Fine Art
芸術学部の学部生による展示。日本の美大でいう、油画などの絵画を取り扱うザ・美大な学部です。
同じプログラムの友達から勧められて、少し覗いてみました。
全体的にセックスと血、身体をモチーフにしたものが多くて、逆にそれらはありきたりすぎて見えてしまったように思います。
逆にそれら以外のテーマで、例えば制作した人の思いが強く出ている作品はとても印象に残るものばかりでした。
(自分にとって大事な人が亡くなってしまったので、その人との思い出をもとに作った絵画や、移民だからこそ見える街中の人のポートレートなど。)
個人的にはテイラー・スウィフトのアルバムをイメージして描いた鉛筆画・水彩画をミックスした作品がとても好き。
画力がとんでもなくて、全然レベルが追いつかないけれども、私も頑張ろうと思った。
MFA Transdisciplinary Design
Times Squareで50年後の未来を再現する、というポップアップの展示。
未来を洞察して、未来に起こりうる問題を解決する「スペキュラティブ・デザイン」という分野のプロジェクトで、50年後の社会に起こりうる問題をどう解決し、どうデザインを活かすのか、と言うことがテーマなのだそう。
(Xさん、違っていたらごめんなさい。補足入れます。)
例えば、治安を維持するために、お店や施設に入る前に人の感情の安定度(=幸福度?)を測って数値化し、その数値によって入れる施設を表示するウェブサイトや仕組みができているかもしれない。
または、気候変動や第三次世界大戦など、新たに起こる問題に応じた非常用応急処置キットが出回っているかもしれない。
さらには、ニューヨークの地下鉄に常にいるネズミたちがニューヨークシティのマンハッタン島の上部と下部(関西と関東のような地域の区分け方)に分かれて派閥を作り、その中間地点であるタイムズスクエアでネズミたちの紛争が起き、地下鉄の遅延やネズミの大量死が発生しているかもしれない。
(ちなみにニューヨークでは地下鉄でネズミが常に走り回っています。深夜や明け方の渋谷みたいです。)
それぞれのブースで、プロジェクトに関わっている生徒がその社会の人として演じて仕組みを説明してくれるので、リアルさが増しました。
普段50年後の未来の社会のことを想像したり、その問題に対する仕組みについて考えることはないので、
「デザイン」が対象となる事柄の幅広さが見えて面白かったです。
詳しくはXさんのnoteに書いているのでぜひ。
MFA Design & Technology
今期は上のTransdisciplinary DesignとDesign & Technologyの学部の授業を取っていて、やっぱりテクノロジーを使ったデザインがすごく好きなので、この学部の卒展にも顔を出していました。
基本的には今からでも売り出せそうなパソコン上でできるゲームがとても多かったように思います。
その中でも、参加者も体験できたり、リアルな世界とオンラインをつなげた作品はすごく面白かったです。
パソコンから植物が生えていく様子が映像になっていたり。
仮想の生き物がいる世界が作られていたり。
座ると光るベンチなど。
どの学部も個性的で、自分にはない視点と感性だったので楽しかったです。
私も今年12月には卒業で、来学期は卒業制作を半年で作らないといけないので、私だったら何を作るかなあ。夏休み中にちょっと考えようと思います。
(できればいろんな人に楽しんでもらえるものがしたい、とハードルを上げてみたり。)
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