気まぐれなアメリカのデザイントレンド解説:なぜ街中が文字だらけなのか考えてみた
ニューヨークに来てからずっと疑問に思っていることがあります。
なぜ、レストランのメニューは文字だけなのか。
わからないじゃないか、どんなメニューか。
なぜ、ポスターは文字だけなものが多いのか。
思い返せば、日本の広告は、写真やイラストがとても多かった気がします。
とにかく、街中が文字だらけなのだ。
思えばアイコンのような絵も少ない。
レストランについては、とある研究で、写真付きのメニューと写真なしのメニューのどちらの方がオーダーされる確率が高かったか調べたそうです。そうすると、
・チーズバーガー、など簡単なメニューの場合は、写真付きのメニューの方が、写真なしのメニューよりもオーダーが多く取れた。
・一方、メニューの名前が聞きなれない言葉だった場合、言語で情報を処理する傾向がある人(言語型傾向)の人の場合は、写真があった方がオーダーする確率は高くなるが、視覚的なイメージで情報処理する傾向がある人(視覚型傾向)の場合は、写真がない方がオーダーをする確率が高くなる、というデータも出ている。
出典:https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0278431916303188
この研究結果はあくまで一例だけれども、どうやら写真や視覚的なイメージの効果は思ったほど限定的なのかもしれません。
思えばセンシティブな情報を扱うもの、複雑な情報が関わるものは太字の文字が多いです。もしかしたら、移民の国だからこそ、曖昧な写真やイラストは色々な解釈を生んでしまうから、誤解が生じやすいからでしょうか。
日本にいなかったら考えなかったことだなあとぼんやり思っている、今日この頃。