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ZOZO前澤社長が無料で配った100万円抽選券は、宝くじなら1枚36円
こんにちは、ホンダです。株式会社ZOZO前澤社長の「総額1億円のお年玉」企画、もう随分昔のことのように感じられるのは何なんでしょうか。
発端はこちらのツイートでした。ご覧になられた方も多いことでしょう。
応募方法は、僕をフォローいただいた上、このツイートをRTするだけ
という、とても簡単に応募できる仕様だったこともあり、凄まじい勢いでリツイートされていきました。受付終了時のリツイート数は554万件だったと言われています。リツイート数の世界記録を軽く達成しました。
Twitterで「フォロー&リツイートするだけ」でお金をプレゼントするという仕組み自体に目新しさはありませんが、100人に100万円が当たるというスケールは魅力的です。日本を代表する著名な大富豪という「信用」もありました。
応募1件あたりの経済価値は18円
リツイート数を応募件数と考えれば、当選確率は1/55400(=100÷554万)です。
ちょうど満員の東京ドームで1人だけ当たるのと、ほぼ同じ確率。
確率的に結果が決まる場合に起こりうるすべての結果を確率で加重した平均のことを「期待値」と言います。この「総額1億円のお年玉」企画の応募1件あたりの期待値は、
100万円×1/55400=約18円
平均的リターンで見れば、落ちている十円玉を2枚拾う方が上なんですね。
宝くじなら1枚36円
では、この1/55400の確率で100万円が当たる抽選券を、仮に正規の宝くじとして販売するとしたら、その1枚あたりの額面価格はいくらになるでしょうか?
宝くじ公式サイトによれば、平成28年度の宝くじの還元率(発売総額に対する当せん金総額の比率)は46.8%でした。宝くじを1万円分購入すると平均で4680円当たる計算になります。宝くじは法律で規制されていて、その還元率は5割を超えてはならないとされています。(「当せん金付証票法」第五条)
実際の宝くじの還元率が法定上限の5割ちょうどではなく5割を若干下回る水準に設定される理由は定かではありませんが、ここでは還元率を法律の上限だったと仮定します。その場合、平均で18円が当たる宝くじの額面金額は、18円のちょうど2倍です。
つまり、ZOZO前澤社長が554万人に無料で配ったのは、1枚36円(=18円×2)の宝くじだったわけです。
結局「抽選」ではなかったの?
ここまでの話はすべて、554万件の「フォロー&リツイートするだけ」の応募の中から、公平な抽選によって当選者が選ばれた、という前提でした。
ですが、実際の当選報告をいくつか見ていくと、前澤社長に100万円をどう使うかの「夢」をアピールした人たちの中から多く選ばれた可能性が高いそうです。
あるいは、すべての当選者を「夢」をアピールした人たちの中から選んだのでしょうか?
そうであれば、話はまったく違います。
「フォロー&リツイートするだけ」の応募で当選発表を楽しみに待った500万人以上がその手に握りしめていたのは、本当はまったく当たりのない「空くじ」だったのかもしれません。
(苦笑)