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PERCHの聖月曜日 122日目
人生そのものが、私たちにとっては即興や思わぬ瞬間と結びついている。人生が(可能性および基本となる法則の範囲内で)即興的であるのは、自然が季節ごとに即興的に、木々の葉や野、空をさまざまな色に彩って変化させ、常に新しい、適度に予期せぬ変化を大気や明かりなどにもたらすのと同じ意味においてである。同じように、人生そして感覚的な解放は、私たちの中では音楽の即興、解放された時間の流れ、多様な転調・テーマ・メロディー・音楽的ムードの交替と結びついている。
総じて輸送から成り立つこの世界と同じように、輸送の美学において即興は原則として認められていない。列車は時間通りに運行し、車輪の音は一定で(そうでなければ何かしら機構が壊れている)、警笛や汽笛は信号として正確なものでなければならず、エンブレムは「駅間と停車場」のコミュニケーションシステム全体をコントロールする輸送ヒエラルキーの中で誰が誰であるかを示している。
芸術で彩られた輸送空間は死体の顔のように凍りつき、動かない。それがあるべき姿だとされているが、我々はこの空間をできるだけ早く克服しなければならない。死体が腐敗する前に、火葬しなければならないのと同様に。輸送空間に長時間さらされると、空気が死んだ肉体に与える作用と同じように、精神が圧迫され、破壊される。
ーーー「29.「M」について(モナストゥイルスキー「駅間と停車場」)」生熊源一訳,『しないでおく、こと。———芸術と生のアナキズム』豊田市美術館,2024年,p245
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New Kingdom
ca. 1400–1390 B.C.