あかねぎ

学生 言葉を用いて心を紡ぐことが好き。 あなたの心をあなたの紡ぐ言葉から覗いてみたい。

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最近の記事

私と世界の境界線

思うに私は世界との境界線が薄いのだ。 例えば誰かと話していると、彼らの声色、表情、様子、身振り、心まで。 全てが私の目に耳に体に飛び込んでくる。 ああこんな表情をしてよほど悔しいことがあったんだな。声がいつもより大きいのは興奮しているんだな。そわそわしているな自分でも落ち着けないんだな。この人がこうなるのは珍しい、よほど心に刺さることがあったんだろう。  そうやって次から次に情報から思考が巡る。 たとえ対面していなくてもそうだ。 大きな足音がきこえる。今日はイライラしている

    • 思い出を眺めて生きていける

      高校生の時体調を崩して学校を休みがちだった。 その時の家庭科の授業で隣だった彼は いつも私のプリントも一緒に板書してくれていた。 私とは違う角ばった文字。のびのびとした大きな字。何か特別メッセージが添えられているわけでもない、必要最低限。 それでも必ず毎回書いてくれていた。 それに何度休んだっていつも特には触れず なんともない雑談をヒソヒソしてくれた。 彼が記入してくれたプリントを見るたびに 思い出す。あの時の彼の優しさを。毎回書いてくれる律儀さと特段触れない思いやりを。彼

      • 感情の行き着く先

        行き場のない気持ちを抱えることがある。 悲しいことがあった時、嫌なことがあった時 苦しいことがあった時。 ため息は周りを暗くさせるから、落ち込んだ顔や態度は周りを心配させるから、 愚痴は話す相手をいい気分にさせないから、 この感情もやり過ごせばなくなるから。 そうやって行き場をなくした感情は心の隅にそっと影を落とす。 頭の中で整理した気でいても、彼等はひっそりと心に巣喰う。 我慢して我慢して心に溜まった感情は 疲れになって身体に表出する。 心の中に楽しいことも嬉しいこ

        • ロールモデルが見つからない

          未来を描くにあたって、ロールモデルなるものを探すと良いらしい そう聞いて探してみたけどいまいちピンとこない 今まで手放しで尊敬できる!みたいな人に出会ったこともない この人のこういうとこが好きだ、素敵だと思うことは多々あるが 私はこの人になりたいわけじゃない その人の一片の情報を見て、その人を想像したって、本当の姿なんてわからないのに 輝かしい彼、彼女の裏は実はあまり幸せでもないのかも なんて考えれば考えるほど捻くれたことを想像してはへこんでしまう とりあえず 好きな女

          かわいいの反対

          善をつくると悪が生まれる かわいいをつくるから不細工が生まれる 何かをプラスに評価すると相対的にマイナスの評価基準が生まれてしまう 嫌いが身の回りに増えるのはとても苦しい だから嫌いを作らないために、好きを決めるのをやめると 自分の心がわからなくなってしまう 嫌いをなくすため好きがなくなってしまうのは、あまりに寂しい そんな苦しさを抱えてしまったとき こんなことを考えた たとえば評価というのは“ものさし“のようなもので ものさしにマイナスはない かわいいを測るものさしで

          かわいいの反対

          信じていてね

          あなたが苦しんでいると 私はとても悲しい 声も顔も名前も知らない 出会ったことだってない それでもあなたが苦しんでいると 私も苦しい でも、もしもあなたが苦しんでいても 今の私には あなたに襲いかかる苦しいこと悲しいこと全部から守ってあげられる力がない あなたの隣に立って傘をさしてあげられない だから だから 信じてもいいですか 私が生きることが為すことが先の未来で あなたを守る傘になることを 信じさせてほしい 今はあなたの力になれなくとも 生きていればあなたの力になれ

          信じていてね