思い出を眺めて生きていける
高校生の時体調を崩して学校を休みがちだった。
その時の家庭科の授業で隣だった彼は
いつも私のプリントも一緒に板書してくれていた。
私とは違う角ばった文字。のびのびとした大きな字。何か特別メッセージが添えられているわけでもない、必要最低限。
それでも必ず毎回書いてくれていた。
それに何度休んだっていつも特には触れず
なんともない雑談をヒソヒソしてくれた。
彼が記入してくれたプリントを見るたびに
思い出す。あの時の彼の優しさを。毎回書いてくれる律儀さと特段触れない思いやりを。彼