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「過ちて改めざる。これを過ちという」 


孔子の教え

この言葉は孔子の教えの一つであり、とてもシンプルですが、深い洞察に満ちています。一見、単純に見えるこのフレーズですが、特に仕事や人生の中で実践するとなると、思った以上に難しいですよね。私自身、この言葉にたびたび助けられてきましたし、またその意味を深く考えさせられてきました。だからいつも大事にしている言葉のひとつです


キャリアの積み重ねが「過ちの改め」を難しくする

社会人なりたてのころ、仕事に慣れないうちは、自分の失敗や間違いを比較的素直に受け入れることができました。失敗は成長の一部だと考えていたからです。しかし、キャリアを重ねるにつれ、自分のやり方や考え方に対する自信が芽生えると同時に、「自分の間違いを認める」という行為が難しくなってきました。

たとえば、あるプロジェクトで成功を収めた経験が増えると、それが自分のプライドの一部となり、他人からの指摘を「否定された」と感じることが時々ありました。また、誰かに「それは違うのでは?」と言われたとき、それは確かに正しい指摘なのに素直に受け入れるよりも、心の中で反論したくなる自分に気づくのです。このような経験するたびに、この言葉を実践できていない自分がいて、悔しい思いをしていました。

自己の誤りを認識する勇気と次に活かす姿勢

誰かに指摘されたとき、あるいは自分で振り返ったときに、自分の判断や行動に誤りがあったことを認める。それは、時に大きな勇気を必要とします。特に職場や社会では、誤りを認めることが「自分の価値が下がる」と誤解されることもあるかもしれません。しかし、実際には、誤りを認める行為こそが、自分をより成長させ、周囲の信頼を得るための大切な一歩だと気づきました。
しかも認めるだけでは不十分で、改めるとは、誤りから何を学び、それをどのように次に活かすかというプロセスです。失敗しないと人は学ばない生き物なのですが、ただ、過ちを改めるだけではなく、同じ失敗をしないようにすることこそ、過ちを改めることだと思います。

この言葉が仕事に与えた影響

この教えを自分のビジネスマインドに置き換えると、
私は以下のような意識を持つようになりました。

1. チャレンジを恐れない

間違いを恐れるあまり、行動に移せないことがあります。しかし、この言葉を思い出すことで、「間違えても、それを改めればいい」と考えられるようになりました。たとえば、新しいプロジェクトや未経験のタスクに取り組む際、最初は不安が大きくても、「挑戦して修正すればいい」と考えることで、前に進む勇気が湧いてきます。

2. 相手の指摘をポジティブに受け止める

職場では意見の対立や指摘を受けることが多々あります。特に上司や同僚とのミーティングでは、自分の意見が否定される場面に遭遇することも少なくありません。そのとき、「指摘を受け入れることで、自分の視野が広がる」という前向きな捉え方を心がけています。

3. 自分のプライドを管理する

キャリアを積む中で、自分のプライドが邪魔をすることが増えてきました。特に、部下や後輩からの指摘を受けると、つい「自分の方が経験がある」と考えがちです。しかし、「過ちて改めざる」を意識することで、自分のプライドを抑え、成長のために柔軟であるべきだと気づかされます。



最後に

「過ちて改めざる。これを過ちという。」という言葉は、ただの戒めではなく、むしろ私たちが失敗や間違いを恐れず前に進むための勇気を与えてくれる言葉だと私は考えています。

失敗は避けられないものですが、それをどのように捉え、どう活かすかによって、人生や仕事の結果は大きく変わります。この言葉が教えてくれるのは、「失敗しても、それを正すことができれば、その失敗は成功への糧になる」ということかなと思っています。

私たちは日々、大小の過ちを犯しています。大切なのは、それに気づき、素直に認め、改善しようとする姿勢です。仕事や人生の中でこの姿勢を持ち続けることができれば、一つひとつの経験が価値あるものに変わっていくと信じています。


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