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あなたの3冊
30年前、マガジンハウスの雑誌クロワッサンから、往復葉書が届き、あなたが好きな小説を3つ選んで欲しいというアンケートだった。30台だったので、10台、20台、30台で読んだものから、一番影響を受けた本をそれぞれ1冊選んだ。
ルーシーモンゴメリー「赤毛のアン」
アルベールカミュ「異邦人」
ジョンアービング「158ポンドの結婚」と書いて送り返した。
クロワッサン編集部はものすごい人数にハガキを出したらしく、何千票というレベルだった。感想も書くことになってて、5000票も集めた「赤毛のアン」が第一位になり、私の感想が紙面に載った。嬉しかった。赤毛のアンへの思いが伝わったようで。
私が赤毛のアンに出会ったのは、中1の1月。腎臓病で市民病院の小児科に入院してた時。ベッドの中で、数学を勉強してたら、回診に来た医師から、「もう、勉強しなくていいんだよ」と言われ、君にはもう未来なんてないんだよと言われたようで悲しかった…。父に、アンナカレーニナを買ってきてと言ったら、アン間違いで、赤毛のアンを買ってきた。もちろん、赤毛のアンは知ってたけど、ポピュラーな子供向けの児童文学で、レベルが低いと思いスルーしてた。イライラして読み始めると、アボンリーの村に入るところで夢中になった。病室があっという間に、アンの世界に変わった。そんな思いを書いた。
あれからまた30年たった。40台、50台、60台で3冊選んでみた。
マルセルプルースト「失われた時を求めて」
角田光代「空中庭園」
高橋たか子「誘惑者」井上靖「氷壁」泉鏡花「高野聖」60台は、山道や登山関係の小説に固執してるけど、一冊となると難しい。一昨年は、西穂高、槍、奥穂と登った言動力になった本。
秋の夜長、本を読む。カミュのレトランジェ。邦訳の感情がオリジナルでは一切でてこない。
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