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20241014-01 人と馬の300年ロマン~言葉ゆたかな世界に思う~
今晩のNHK「100カメ」を楽しみにしていた。
JRAの栗東トレーニングセンターを中心に備えられた100のカメラによるドキュメンタリー。期待どおりの内容だったんだけど、一番の感想は言葉がゆたかな世界だなぁってこと。感情がゆたかな世界とも言えようか。
お馬さんにかける言葉の多さ。しかも愛情があふれているのなんのって。この世界のゆたかさを思った。もちろんきれいごとだけでは済まないことを承知のうえでの感想だ。
一番響いたのは以下。JRAというエリート競走馬の世界では好走できる見込みがないために、たった2回走っただけで地方の佐賀競馬に所属を変えざるを得ない馬。その担当者がかけた言葉だ。
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おまえ、向こうに行っても可愛がってもらえよ。
おまえは古馬(こば)になったらいい馬になるから。
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自分がその馬だったら「うん。いままでありがとうね。いい馬になれるように向こうでめっちゃ頑張るよ」きっとそんなことを言うことだろう。
ちなみに古馬とは4歳以降の馬を言う。晩成する大器でなくてもいい。長くかわいがってもらえよ。自然にそんなことを思う。
自分のことに置き換えてみると、もしかすると自分が聞こえなかっただけで、そんな言葉をかけてくれていた人がいたかもしれない。聞こえたふりをして、会話の世界から逃げていた自分を悔やむ。
同時に、こうして字幕で伝えてもらえることをありがたく思う。言葉がゆたかな世界を知って、言葉の役割を思う。
レースのゲートインまで付き添った担当者が、馬を残してゲートから離れるときにかける言葉も深い。
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もう行くぞ。もう行くからな(がんばれよ)
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レース中に事故があると今生の別れになってしまうことだってあるから、この言葉にこめられた愛情を思わずにいられない。
レースのたびに繰り返されるゲートイン。そんなゆたかな言葉がかけられているとは思いもしなかった。
その昔、JRAに「人と馬の300年ロマン」というコピーの格調高いCMがあったことを思い出した。ナレーションは聞こえなかったけど、その映像は今のCMのように若い人に媚びるようなものではなく、大人の世界を感じたっけ。
スポーツの日に、スポーツの世界(競馬もスポーツだ)の言葉のゆたかさを思い、忘れないために書いてみた。