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今年一番の寒さに食す納豆ご飯

正月明け、暴飲暴食の代償で胃が重い。昼過ぎにふと湯気の立つ炊きたてのご飯をよそり、茨城旅行で買った船納豆を取り出す。曇天模様の空の下は薄暗く、窓がくもった暖かい部屋で、丼に納豆をかけて箸を動かす。ねっとりした糸がご飯に絡み、温かさとほんのりとした塩気が疲れた胃を労る気がする。

食べ終わると、パソコンの前に戻り、進まない作業の画面をじっと睨む。SNSには、友人たちが楽しげな正月旅行の写真を投稿している。スキー場や温泉宿、笑顔の写真を指で流しながら、「今年の正月もいろいろあったな。」と楽しかった出来事を思い出し苦笑いする。部屋の中は静かで、窓の外から聞こえる北風の音だけが、冬の昼下がりを埋めていた。


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