見出し画像

作るのではなく、「削って」自分にたどりつく

今日も今日とて、ブラッドベリチャレンジ

芸術作品はいつから「作る」ものになったのだろう。
「削る」ものではなくて。
彫刻という芸術は、原則として、素材を増幅させるのではなく、素材の量を削っていく。
ついでにいえば、文章を書くという作業も削る作業だろう。
ひととおりできあがった文章の塊から贅肉を削ぎ落とす作業は、文章作成のなかで重要な作業である。

植物考/藤原辰史

「作る」ではなく「削る」という発想の転換。
それは人間にも言えることだと思う。

「自分」というものは、「作る」ものなのだろうか。

「作る」という視点もあるだろう。
いろんな人に出会うなかで、身につけてきた社会性。
ありたい自分になるために、手にしたスキル。
今の自分は、「作ってきた自分」でもある。

一方で、その「作ってきた自分」を「削って」も、「自分は自分」だろう。
僕たちは、生まれた瞬間から「全体性を持った自分」を持っている。

自分にたどりつくためには、自分を「作る」のではなく「削る」という視点から取り掛かってみるのも一つだ。

「作ってきた自分」が悪いわけでもなく、そこにも大事なことはある。
しかし、着飾りすぎて自分にたどりつけないという状況もあるのではないだろうか。
着飾ったものを脱いで、作られた自分を「削って」、自分にたどりつく。
そんな自分には自由の香りがする。

*

Rinfinity~食にたずさわる人の生き方~
料理人や農業従事者の方へのインタビュー記事を発信しています。
第7弾、名古屋の南インド食堂「チェケレ」の中島憲二さん・中島加珠子さんのインタビューが公開中です!!

いいなと思ったら応援しよう!