自己効力感【キャリア理論】
今日は、バンデューラのキャリア理論について書いてみたいと思います。
社会認知的キャリア理論
社会認知的キャリア理論(SCCT:Social Cognitive Career Theory)の背景には、人の「認知」がキャリア開発やキャリアの意思決定において収容な役割を果たすという考え方があります。
アルバート・バンデューラの社会的認知理論から最も影響を受けたと言われます。
SCCTの理論には、「自己効力感」「結果期待」「目標設定」という3つの重要な概念があります。
その中の「自己効力感」についてみていきたいと思います。
自己効力感
バンデューラは、自己効力感を
「課題に必要な行動を成功裡に行う能力の自己評価」
と定義しています。
どんなキャリアを築いていこうかと考えたり、
この局面を自分は乗り越えられるかと課題と向き合うとき
など様々な場面の選択において「自己効力感」は影響を及ぼします。
自己効力感を形作る要素として、以下の4つが挙げられています。
①個人的達成(成功体験)
自分自身で何かを成し遂げた経験のことです。
実際に達成できた経験は、納得感があり自己効力感を高めることにつながります。
②代理学習
他者の経験を観察することが自己効力感を変容させることもあります。
自分と同じ属性(性別や年齢、出身地など)を持つ人の活躍を見たときに、「自分にもできる」という気持ちになることはありませんか?
③社会的説得
周りの人からの励ましやサポートも自己効力感を高めます。
④情緒的覚醒
生理的な反応も自己効力感に影響します。
リラックスした状態にいれば、前向きに物事を捉えることができます。
まとめ
自己効力感を構成する要素についてみてきました。
バンデューラの定義した自己効力感を、僕なりに平易なことばで解釈すると、
『課題に対して、「できる」と思える自信の度合い』
となります。
自己効力感を高める方法、みたいな本や記事が多いですが、
「自分の自己効力感(=自己評価や自信の度合い)を丁寧に見つめること」
も大切なのだと思います。
自分のことを過小評価も過大評価もせずに、真っ直ぐに見つめること。
それがキャリアの選択や課題への向き合い方に力を与えてくれるのだと思います。