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物質とは何か? 〜 エネルギー 〜
ふとした瞬間に、「物」って結局、何でできてるんだろう。目に見えない小さなつぶつぶでできている?なんて考えたこと、ありませんか?
義務教育では「分子」や「原子」くらいまでしか学ばないため、それらが物質の構成要素、最小単位だと思われがちですよね。
物理学の世界では、その答えは意外とシンプルです。
「人間が認識できるすべてのものは、エネルギーでできている。」
これ、なんだかスピリチュアルっぽく聞こえるかもしれませんが、科学的には正しいんです。
たとえば、私たちが触れる物質、目にする光、耳に届く音、体で感じる熱――ぜんぶエネルギーの形を人がどう知覚したかというだけのこと。アインシュタインが「E=mc²」で教えてくれたように、物質はエネルギーと変換可能。ミクロの世界では素粒子。これもエネルギーの塊みたいなものです。
でも、こう言われてもピンとこないですよね。「物質」と「エネルギー」は別物に感じるし、二重スリット実験を思い出したりして混乱しそうになります。日常で石ころやスマホを見て、「これ、エネルギーなんだ」とはなかなか思えません。
二重スリット実験やシュレディンガーの猫で見られる「謎」は、エネルギー(波動的な性質)と物質(粒子的な性質)が別物だという前提条件が引き起こす誤解に起因しています。でも、現代の量子力学ではこう考えます。
「粒子は、波動が特定の条件で局在化した形態である」。
この理解に立てば、二重スリットで光や電子が見せる奇妙なふるまいも、シンプルで一貫した現象として説明できます。エネルギーと物質が一体であることを受け入れると、世界の見え方が少し変わるかもしれません。
科学の真実と日常の感覚
「すべてはエネルギー」という科学的な真実を知ることは、新しい視点をくれます。でも、それを無理に日常に持ち込む必要はありません。物質は物質として、光は光として、私たちの感覚に素直に頼ればいい。
ただ、時々思い出してみるといいかもしれません。
触れているこのコーヒーカップも、部屋に流れる音楽も、温かい日差しも、みんな、そこに存在するエネルギーが、人間の五感で知覚できる状態になったもの。そう考えると、世界がちょっとだけ不思議で面白く感じられませんか?
シンプルな真実と、私たちの日常。
その狭間に、少しだけ「科学の視点」を忍ばせてみる。
そんなふうに科学の視点を持つと、見慣れた世界が少し違って見えるかもしれませんね。
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