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人生は地中に埋もれた化石のようなもの

アメリカの作家 スティーブン・キングは、
雑誌「ニューヨーカー」のインタビューで、
ストーリーというものは地中に埋もれた化石のように
探しあてるべきものだ、と答えた。
これも大理石のなかにダビデを見出したミケランジェロの話や、
あるいは木の中にネズミを見出した混血の少年
(村上春樹「1Q84」のなかで語られる人物)の話と同じだ。
キングの答は面白い。さすが超売れっ子作家だ。

もちろんその化石を美しい形のまま掘り出すには、
さまざまな技術とセンスがいる。
その多くは天賦のもののようだ。
それを人は「才能」とか「ギフト」とか呼ぶ。

しかし、ストーリーを「人生のストーリー」と言い換えてみたらどうか?
これは特に才能がある人でなくても、
その気になれば発掘作業はできるはずだ。
あなたや僕がすべきことは、あらかじめ、
自分たちのなかに埋もれている
人生のストーリーを見出し、成長の場を与え、
時期を見てうまく掘り出すことである。
それができれば人生は成功と言えるだろう。

ただし、埋もれていたのが、社会が高く評価する巨大な恐竜の化石なのか、
見向きもされない小さな貝殻の化石なのかの違いはある。
けれども、どんなものであれ、
あなたも僕も懸命に掘り出すしかないではないか。

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