利己心と自己中

社会の形成は、自分が生き残ろうとする利己心からはじまると考える。人間は生存の結果、集団で活動することで生き残る可能性を上げられるということを見いだし、そのような集団行動をしていく中で、さらなる集団活動を可能にするために利他心が芽生えた。(より協力ができるようにするため)

そしてそこには、協力によって互いに利益を受けられるであろうという信頼関係があり、この信頼関係を築くには自己愛が不可欠である。自分の存在、することに自信がもてずにいるのに、どうして他人に対して期待ができるのであろうか?
また、自己愛を育む上で、自己分析が欠かせない。この自己分析をしていく中で、自分が集団活動においてどうしていくべきなのかが自ずと見いだされるだろう。(人類が成長を求めるわけ)そうしてさらに生存確率をあげることができ、かつ互いに何をすべきかが明白になっていくため、さらなる信頼関係が期待できるのだ。

人類は、公平なルールのもと対等な関係を築いていくことで、自身の利益に限らず、他者の利益までもつくりだし、大きく成長を遂げるのである。

しかし、現在の資本主義は、利己心ではなく自己中な意識のもと活動が繰り返されている。自分にとって他人は対等な取引相手ではなく、ただの利益をもたらしてくれる道具でしかなくなっている。そこには真の信頼関係はなく、隷属的な関係性になっていくことだろう。さらに残念なことに、そのような関係性においては自己愛に似た自尊心が形成されるため、自己愛が必要なくなるのである。そこには自身の分析をし、己を高めようとする活動がないため、自分のもつ世界観が絶対的でかつ怠惰な状態に陥っていく。


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