財務分析/ROA(総資産利益率)とROE【Accounting基礎】
財務三表の財務数値をもとに
「収益性」「効率性」「安全性」「成長性」「総合力」の
5つの指標を用いて財務分析を進める
【収益性】
売上に対して、営業活動でどんな利益が生まれているのか
・売上高総利益率:商品自体の収益性
・売上高営業利益率:本業の収益性
・売上高経常利益率:企業の通常の活動の収益性
・売上高当期純利益率:企業の全活動による陶器の最終的な収益性
→順に見ていき、どこで前年や他社と差がついたのか
・売上高総利益率の改善
→値上げして売上高UP、売上原価を削減
・売上高営業利益率の改善
→販管費の見直し
【効率性】
ある資産に対してどれだけ少ない資産でより多くの売上を獲得できるか
**・売上債権回転期間
・たな卸資産回転期間
・仕入債務回転期間 **
→資産の回転期間が短いほど効率性が良い
→負債の回転期間が長いほど効率性が良い
(手元にお金を残しながら売上を獲得できている)
「CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)」
仕入れの支払いから販売代金の回収までの間の期間
[CCC]
=[売上債権回転期間]+[たな卸し資産回転期間]-[仕入債務回転期間]
→CCC が長くなると多くのつなぎ資金が必要となる
→CCCが短いほど資金繰りに余裕が生まれる
【安全性】
支払いの安全性は高いか?(倒産のリスクないか)
①借入金 →多すぎないか
②タイミング →支払いまでの期間と現金化までの期間
③手元現金 →手元の現金は十分か
①借入金
「自己資本比率」
=[自己資本]÷([負債]+[純資産])
返済義務のない資金の割合は高いのか
借入金(負債)の割合が高すぎないか
「インスタント・カバレッジ・レシオ」
=([営業利益]+[受取利息・配当金])÷[支払利息]
どのくらい負債を負担できるのか
払わなければならない利息の何倍稼げているのか
→倍率高い:支払利息十分に払ってもお金の余りある
→倍率低い:約束している支払利息すら払えない懸念
②タイミング
** [流動比率]
=[流動資産]÷[流動負債]**
→会社の短期的な支払い能力どの程度あるか
[固定比率]
=[固定資産]÷[自己資本]
→固定資産に対する資金調達源の安全性
[固定長期適合率]
=[固定資産]÷([固定負債]+[自己資本])
→固定資産に投資した資金の源泉が長期資産で
どれだけ賄われているか
③手元現金
[手元流動性比率]
=([現金及び預金]+[短期所有の有価証券])÷([売上高]÷365日)
→手元に現金及び預金。短期所有の有価証券がどれくらいあるか
→1日の売上の何日分の現金があるか
→M&A対策として余分な現金を持たないこともあり
手元の流動性を短くする傾向がある
【財務レバレッジ】
負債をどの程度有効活用しているか
自己資本の何倍の総資産があるか
※自己資本比率の逆数
** [財務レバレッジ]
=[総資産]÷[自己資本] **
投資利益率>借入利率...借りれば借りるほど大きな利益
投資利益率<借入利率...借りれば借りるほど損失増
【成長性】
どれだけビジネスを成長させることができているか
・売上高成長率 事業規模の成長
・総資産成長率 企業の保有する価値の増大
→必ずペアでチェックする
【総合力】
「ROA」総資産利益率
→企業が所有している資産(総資産)を使って
どれだけの利益を上げているのか
「ROE」
→株主の持ち分である自己資本が(通常1年間に)
どれだけの利益を上げているのか
日本でも株主重視の経営や企業目標が売上重視から
利益重視へ移行していく中で、重要な経営指標に
【財務指標分析の流れ】
①まず全体観を掴む
P/L:売上高と3つの利益
B/S:3つのブロック
C/F:3つのキャッシュフロー
総合力指標など
②比較し、評価する
競合・業界平均・時系列などの数値を物差しに「良い/悪い」
③問いを立てる
なぜそのような数字になっているのか
④分解して絞る
⑤仮設を立ててみる
⑥検証する
⑦問題点を明らかにする
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