水戸の歴史にとって『濱崎体制』とはなんだったのか?
水戸ホーリーホックの2024年は、辰年&クラブ創設30周年の節目にも関わらず、本当に激動の一年であった。
クラブ史上二度目のシーズン途中での監督交代劇。
https://www.mito-hollyhock.net/news/p=35612/%0A%E6%A3%AE%E3%81%95%E3%82%93
このとき、リーグ19位。
20年近く応援している自分でさえ、あの柱谷監督の解任劇の時よりも危機感は大きかった。
ついに、恐れていたその時が来てしまうのではないかと。
しかしながら、森監督に交代してからは沈みゆく北関東のライバルを尻目に息を吹き返し、15位でフィニッシュ。
JFLに降格したYSCCにすらルヴァン杯で敗れたチーム状態から、見違えるほど良化してシーズンを終えられたのは、中島選手や櫻井選手といった途中ローン加入選手の加入による外的変化もありつつ、
従来からあった
「やりきる 走りきる 勝ち切る」
の原則に立ち返りつつベースの再構築に努めた結果だと感じている。
裏を返せば。
原点に戻らなければならなかったということは、それだけ従前のやり方はそれらをあえて壊していたということでもある。
なぜ、「あえて壊す」ことをしなければならなかったのだろう?
コロナ禍に紛れて有耶無耶になっている感は否めないが、長谷部監督(現川崎)時代の守備とそれ以後の守備に関して、濱崎ヘッドコーチ就任の2021年以後(これを「濱崎体制」とする※注)、約束事の徹底という意味で差があったことは実地で見た限りの肌感覚として感じている。テニスで言うところのアンフォースドエラー(自分たちに起因するミス)による失点が増えたのだ。
※注:秋葉監督が就任したのが2020−2022シーズンであるが、2021年シーズンに濱崎ヘッドコーチとして入閣して以降、天皇杯やTRM、エリートリーグにおいては濱崎さんが実質指揮をとっていたことから、21年以降を含めて「濱崎体制」と称する。
その極地となったのが今年の三ツ沢で行われたアウェイ横浜FC戦の1失点目で。
このシーン、キーパーのミスキックだけを責めても仕方がない。
ちゃんとビルドアップするのかロングを蹴るのか話し合って、意思疎通していれば防げたはずで。それを怠っていたからこうなったと感じる(と現地で見ていて感じたし、無力感も感じた)。
番記者サトタクさんのレポートを読む限りでも、失点後に話になって集まっても方向性を見出せないまま終わってしまうことが多かったとの記述もあったくらいで、
プレーを徹底するための意思疎通をどのように図ろうとしていたのか、悪いならどう改善していこうとしていたのか?
その辺りが、よく伝わらなかった印象がある。
https://open.spotify.com/track/2Ed4Qr7iCG6gzeux2PMB3O?si=NV-Sol1UTY6pDDjo-gup-w
その結果としての昨年のスタートダッシュ失敗や今年序盤の連敗があったんだと思っているのだけど、真実はいかほどなのだろう。クラブからのある程度の総括が欲しいと思っているのだけど、解任時のリリース以上の話がブログを読んでいても出てこないのが、なんとも腑に落ちないのだ。
その上で、2022年9月に日立で開催されたエリートリーグ栃木戦で、濱崎ヘッドコーチが指揮を取る形で戦って1−2で敗れているのだけれど、
この時点で次期監督として濱崎さんが内定していたのかどうかも、今思えば気になるところだ。
「監督も含めて育てたい」という意図がクラブにあったことは明白だったのだけど、それがどこまで定められた運命だったのかが知りたい。
ここまで書いてきて、別に失敗をするなと言いたいわけではない。
失敗から学んで成功に導ければ全てOKなのだ。失敗を失敗と認めて次に進めばいい。まあ「解任」したのだから「濱崎体制」は結果論的に失敗だったと捉えている、と言うのならそれもそれなのだが、
あえてクラブに求めたいのは、その経験を活かしてここをこう改善しました、このような方針で今年は選手をとってきました、という対局的な説明が欲しいのですよ。
新体制発表会見でその辺は説明があるのでしょうか。
ピッチ上で意思疎通が満足にできないチームがサポーターやファンとと適切な意思疎通ができるとは到底思えないので、、
ただ、選手スタッフの獲得状況を見ると、暗に隠された意図が読み取れなくはないので、想像を巡らせながら、今回の「カイゼン」がうまくいくことを願うばかりなのですが、来季の命運はいかに、、、
まあ、なんだかんだ言って苦しいときこそ応援するのが水戸サポーターなんですけどね。