おとな部が私にくれたもの
水戸ホーリーホックはサッカークラブです。
サッカークラブはサッカーを見せる興行を行いながら、サッカーを普及しサッカーファミリーを増やす役割を担います。
突然ですが質問です。
サッカーを「普及」させるには、子供たちへのスクールだけでいいのでしょうか。
小学生から高校生に至るまで、スクールと呼ばれる組織を、水戸に限らずJリーグ各クラブで共通して持っていますし、このスクールが普及の主翼を担っているのは間違いないわけですが、
すそ野を広げるのは、子供たち相手だけでいいのでしょうか。
自分自身の話で恐縮ですが、自分は子供の時サッカーは授業でやった程度、ほとんどやったことはありません。
スポーツ少年団は当時ミニバスか剣道しかない中で好きな子がいるミニバスを選択。しかしバスケの才能がないと自覚してからは、専ら練習後にあるフルーツバスケットなどのレクリエーションに命を燃やすような運動音痴でした。サッカーに興味を持ったのは日韓W杯の前後、その頃はすでに卓球の中学総体を終えた頃で、そこからサッカーをやってみようとは流石に思えませんでした。
見るのは好きなんです。でもやるのは体力が続かなくて。フットサルのお誘いもなんとなく断ってきた。
そんな自分でも、実際問題サッカーってできるのだろうか???
自分みたいに、サッカー経験の有無に関わらず、サッカーをやってみたいけど躊躇する層がいるのではないか。そういう層にアプローチするのも立派なサッカーの「普及」なんじゃないだろうか。
でもそんな人にかまってくれるクラブって、あるのだろうか。
水戸はしっかりとアプローチしてくれました。
水戸ホーリーホック「おとな部」です。
(トップ絵のどこかに私がいます)
おとな部を去年1年経験して、どうだったか。
結論から言えば、
自分でも、サッカーちょっとだけ、できました。
そして、楽しかった。ひたすら楽しかった。
気づいたら、(子どもをスクールに通わせる親を除いて)一番出席回数が多い人になってた。
水戸ホーリーホックおとな部の何がよかったのか、その一部始終をここに残しておきます。ぜひ今後のご参考に。
おとな部って何するとこ?
おとな部は、徹底した初心者目線で、いいおとながいろはの「い」からサッカーをするところです。
自分のように、青春時代、サッカーを経験したひとばかりがサッカー好きのオトナとは限りません。サッカーが好きでもやったことがない。
あるいは、体を動かしたいけどどうしていいかわからない。
そんな自分みたいな人にピッタリな、個人参加の運動クラブです。
そこまで、運動量が激しいわけではありません。
ストレッチや準備運動をしっかりした後、基礎練習に値するようなボールの扱い方、キックの仕方の基本中のキホンを学べます。
子どものときにサッカーやってないと、どう蹴るのが正解なのか、どう走るのかが正しいのか、サッカーの「そもそも」がまず分からないんですよ。
そんな状態で、選手に向かって
「走れ!」「もっと走れ!!」
とか
「そこでシュート打てよ!!」
とか平気で言っていたのに。
いざやってみたら、
「自分、全然できないじゃん!!!!!」 ってなる。
トレーニングとか、一つ一つの基礎動作を学ぶだけでも、相当なカルチャーショックを受けます。
そこでおとな部のいいところは、『出来て嬉しい、出来なくても楽しい』ことが大事と教えてくれるんですね。
スパルタに止める蹴るを繰り返すんじゃなく、本質を教わりながらすこしずつ自分で咀嚼してできることを増やしていくスクールなんです。
だから何度も通っていくうちに、同じ練習メニューに遭遇した時に、
「あっ、できた!」
ってなるのがたまらなくうれしいわけです。
ちょっとだけ、選手に近づいた気持ちになる。(といっても選手はその数倍練習して先を行っているのだけど)そして、選手に対してもっと想像力を働かせられるようになります。これが本当に大きいですね。
自分がちょっとだけうまくなれるのを感じながら、っ選手ってこんなにすごいんだねぇ、としみじみ感じられる空間がそこにあります。
ちなみに、日程さえ合えばの話ですが、普及部コーチ、コンディショニングコーチから直接、選手のトレーニングメニューの一部(もちろん軽めのやつ)を教えてもらえることもあります。
運が良ければ、島田選手(兼普及部コーチ)と直接触れ合うこともできるかもしれません。(パスの相手は当時水戸シルエラ→現FC今治Lの越智選手)
おとな部はサッカーをするとは限らない
水戸ホーリーホック「おとな部」は「サッカー部」ではないんですね。
これが主催のはやぶさコーチのこだわりのようでして、、、
サッカーボールを使いつつも、サッカーしないことも、ままあります。
この写真は、チームに分かれて神経衰弱をするところです。
ボールをドリブルしながらコーンに向かっていき、コーンを2つめくって、中のものを確認したらドリブルで帰ってきて次の人にバトンタッチ。めくった結果同じものを見た=ペアがを完成させた数が最も多かったグループの勝ち。
全然サッカーしてない。
けどこのミニゲームがすんごい頭使うし、何より楽しいわけ。
どんなことをやるのかはフェイスブックだったり体験会の様子を見ていただければと思うのですが、けんけんぱの変形バージョンとか、ゴムボールをかごにキャッチするゲームとか、体も頭もフレッシュになれる遊びがいっぱいで、毎回新鮮な気持ちで楽しめるんです。
これだけでも、普通のサッカースクールとは種子が違う、とわかってもらえるでしょう。この楽しさ感じるだけでも1,000円払えるやつ。
そして、もちろんサッカーもします。(笑)
けど、最初やるのはちょっと変わったサッカーです。
写真見てお気づきでしょうが、誰も走っていません。
競歩のように歩いている人がいますね。
「ウォーキングサッカー」と言います。
歩いて行うサッカーで、走れない分止める、蹴るの基本がすごく重要になります。ただ走らない分、未経験者でも馴染みやすく、幅広い年齢層で楽しめるのが魅力です。
それでいて、普通のウォーキングと比べて、3倍の消費活動量があるとか。すご。
このおとな部に参加して初めてウォーキングサッカーに出会ったのですが、もどかしさもありつつ楽しいし、ポジショニングを考えながら動かないとゴールに結びつかないので、結構頭使うんです。広まるといいなぁ。
で、この後にようやく普通のフットサルをやって締めるのが通常の流れです。
なお、フットサルでは未経験者になるべくパスを回してくれるように配慮してもらったり、初参加の人、女性には点数でおまけしてくれるルールがあったりします。
ミスしても誰も怒りません。
「わかるーーーーー!!」
って方々から言ってくれたりするので、たとえ不器用でもアグレッシブに、獰猛に行けます(ただケガだけはさせないように)。
こういう安心設計ですので、おとな部に参加した人全員にゴールを決めるチャンスがあります。
人生初ゴールを決めた時の快感といったら、、、!!
もう!!!たまらん、、、、、( *´艸`)
この快感を多くの人に感じてほしい、、、、、、!!!
まとめ
水戸ホーリーホックを応援していて一番感じること。
それは、サッカーを一番身近に感じることができるクラブだということ。
選手スタッフとサポーターの距離感が近く、ご近所付き合いのような感覚で楽しみながらプロの凄さを体感できる。そして日常が心躍り、ほんの少し人生が豊かにできる。
それを具現化した一つの完成形が、水戸ホーリーホックおとな部だと感じています。
サッカーって楽しい!って今までも思っていたけれど、おとな部のおかげでさらに本質的にその楽しさに迫れた気がしますし、おとな部を通じてさらに仲間が増えていく、スタジアムでの楽しみも増えていくのがすごくいいなと感じます。こう感じる人が増えるのも『サッカーの普及』と言っていいと思うんですけど、いかがでしょう?
おとな部は私にいろんな「楽しさ」を与えてくれました。
気まぐれなペースで、今年も何回か参加募集がかかるかとは思いますが、今年こそは、目標全日程制覇で、頑張りたいと思います(''ω'')
おとな部、楽しいよ\( 'ω')/