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2023年9月30日(土)

毎週土曜日は墨田区曳舟駅東口の広場で
すみだ青空市ヤッチャバが開催されている。

月に2回ほど、運営事務局として手伝いを行っている。
いつも通り朝7時に集合し、緑色のテントを立てる。

朝10時28分、電話が鳴る。
喫茶HOLLYのマスターからだ。

「お店の近くにいい物件があるそうだ。不動産に話しておいたから、ヤッチャバ終わりに行くといい。ちえこと一緒に行くといい。」

ヤッチャバ終わりに、マスターの姪っ子ちえこさんと会う約束をしていた。

喫茶HOLLYは1964年から営業している昔ながらの喫茶店。向島界隈では2番目に古いといわれる。
コーヒーとサンドイッチのお店だ。

今年の2月にお店へ行き、3月には冗談まじりに「うちを継ぐか?」「押上に越しといでよ」と言われた。
バリスタ保健師としてコーヒーを淹れる活動をしていることを話すと、「日曜日うちでやるといいよ」そんな話をしてくれた。

墨田区との出会いは、2019年12月。
ヤッチャバでコーヒーを淹れるところから始まる。

伝所鳩さんの2階や、鳩まち商店街の「ハトウィン」、さくら橋コミュニティセンター、押上のゲストハウスのコマツヤさんなど様々な機会をいただいてコーヒーを淹れる活動をしてきた。

気づけば4年の月日が経ち、知り合いも増えた。
まちの中で出会うと、名前を呼び合って会話をする関係性を築くことができてきた。

今、住んでいるところの更新月は2024年7月。
まだまだ余裕はある。
次の引越し先は、東京の墨田区へ。
それもありだなと考えていることをマスターへ伝えていた。

その話を覚えていてくれて、不動産屋に電話をしてくれていた。

ちえこさんと合流し、家族みんなで餃子の王将へ行った。餃子3人前と天津飯とレバニラ炒め。
「これがおいしいのよ」と、ちえこさんの母が言う。

食事を終え、不動産屋へ向かう。

「マスターから聞いていますよ。見に行きましょうか。」と、内見しにいくことになった。

いい物件だった。

情報はもう公開されているときき、
「これは覚悟する瞬間だ」と思った。

ええぃ、と腹をくくった。

審査が通るかはわからないが、とりあえず出してみよう。どきどきしながら申込書を書いていた。

そのままの足で、HOLLYのマスター・おじさんの家に向かう。家に集まるとお正月のような賑やかさだ。

「しのさんが、継いでくれるって。よかったね。」と家族全員が喜んでくれた。

正直、気持ちと頭が追いつかないスピードで物事が進んでいる。
でも、60年続くお店を継いでくれないかと言われることは、この先二度と訪れない気がした。

チャンスには賞味期限があること、その賞味期限は一度逃してしまうと、そう易々とチャンスはやってこない。

らびちゃんのnoteより

『チャンスには賞味期限があるんだよ。』
友人の言葉に励まされる。

こんな面白い人生ないや。

できるかわからないけど、できる方法を考えたい。

チャレンジする、と決意した9月30日。

十六夜の月と一緒に、この日の出来事を記憶に残しておきたいと思った。

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