2023年2月23日(木)前編
思い立ったが吉日、直感を信じて動く。
いつだって今がベストタイミング。
一見タイミングが合わず、残念な出来事があったとしても「きっとこれで良かったんだ。」と思うようにしている。
前々日にインスタグラムのストーリーでゲストハウス・コマツヤさんが、純喫茶マリーナのお品書きの写真をアップしていた。
お品書きをよく見ると、ジュースがあったり、ジュスがあったり、表記のばらつきがかわいいのだ。
この日、コマツヤさんはモーニングを食べに行っていたらしい。
マリーナといえば、デザイナーの毛柴さんがつくったZine「シューミーンダック」の中で取り上げられている純喫茶だ。
コマツヤさんの投稿を見て、毛柴さんに思わずシェアした。すると、毛柴さんからも野島商店の野島さんも行っていたことを教えてくれた。
まちの人に愛されている喫茶店。
1973年創業、純喫茶マリーナは今年でちょうど50年だ。
毛柴さんとは2020年12月27日曳舟の東向島珈琲店(通称:ヒガムコ)で出会う。
お店にZineを置きに来たところに居合わせたのだ。
この日は確か、ヒガムコのマスターに年内最後だからと挨拶にいった日だ。
毛柴さんにZineのサンプルを読ませてもらった。
袋とじの封を切って本を組み立てる、ワクワクする仕掛けがある本だった。
モデルのデスケンさんがいい味を出していた。
(デスケンさんとは、毛柴さんや墨田区のみんなと定期的に集まる仲になるが、このときそんなことは思いもしない。)
毛柴さんは、小説家の深沢七郎の今川焼屋「夢屋」の店舗跡が墨田区東向島にあることや、よくわからないマニアックな話を楽しげに教えてくれた。
深沢七郎のことも、この時はよくわからなかったけど、それだけ話せる熱量がなんだか面白かった。
ちょうどヤッチャバにも、1年ほど関わった頃だった。
まだまだ墨田のことは知らない。観光雑誌には載っていないマニアックな情報が載っていそうで面白そうだなと思い、その場でZineを購入した。
そのときに毛柴さんから純喫茶マリーナの話をきいた。
実際に自分の目で見たくなった。
ちょうど年末拡大版ヤッチャバで翌日も墨田へ来る予定だった。(本来は毎週土曜日。年末だけ3~4日間連続で開催される)
せっかくならと、マリーナへ足を運んだ。
オレンジ色の看板がかわいい。
昔ながらのナポリタンを食べた。
Zineの中で紹介されて気になった純喫茶マリーナのお品書き。
ジュースが『ジュス』という表記になっていたり、
レモンは黄色じゃなくてスカイブルー。
グレープフルーツがグレープ色だ。
正解不正解はないけど、どんなことを考えて書いたのか、想像する時間も楽しい。間違い探しのようで、目が楽しかった。
メニューを書いて、あとから『あ、ジュースじゃなくてジュスだ!』と気づいたのかな、とか。もし気づいたとしてもそのまま使ってる感じがいいなぁとか。人間らしい隙のある感じや、ちょっと違ってもいいよねということを許されている空間が、居心地の良さを感じた。
毛柴さんから教えてもらった次の日に、ひとりでマリーナへ行ったことを報告すると驚いていた。
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そんな2-3年前のことを思い出し、久しぶりにマリーナへ行きたくなった。
ちょうどコマツヤさんと連絡をとったときに、『マリーナのついでに遊びに来てくださいね』と言っていただけたので、昼過ぎに思い立ち、武蔵小杉から押上まで移動することにした。
到着は16時過ぎ。マリーナは19時までやっている。
まあ、焦らず行こうと思った。
毛柴さんと駅で合流し、マリーナへ向かった。
マリーナへ向かう足は浮足立っていた。
久しぶりにナポリタンを食べるんだと、お腹を減らして楽しみにしていたのだ。
駅から歩いて12分。
お店の前へたどり着いた。
…。
あれれ…?
おかしいな、シャッターが閉まっていますね。
2月23日は祝日。
だけど今日は営業中と確認していたんだけどな。
近づくことを諦め、道路は渡らずに、スマホで撮った写真を拡大する。
貼り出されたお知らせの文字がボヤッと見えた。
そんなーーーーーーーーーーーー。
4時閉店だなんてーーーーーーー。
きいてないよーーーーーーー。
休日のだらだらを、思う存分楽しんでしまった自分を悔やんだ。
あと30分、いや1時間早ければ、マリーナに行けたのに。ナポリタン…。食べたかった…。
と、思いつつも、まあ仕方ない。
切り替えましょう。
きっとこれでよかったんだ、そう思うことにしよう。
後編につづく。