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レタスクラブのV字回復にサービスデザインを見た

今朝テレビを見ていると、雑誌レタスクラブの発行部数がV字回復しているという特集をやっていた。自分も一人暮らしを始めた時に1冊だけ買ったことがあるが、元祖料理雑誌だったはず。

どうやら雑誌のコンセプトをこだわり料理から簡単、時短に変えてきたことも一因とのこと。

確かに専業主婦のいる家庭より共働き家庭が多い今の時代において、こだわった料理より毎日手軽に作れる料理にニーズはありそうだ。

ただよく番組を見ていると、コンセプトだけでなくどうやら雑誌の作り方においても、課題設定解決策というサービスデザインのかたちを取っていて興味深かったので書いてみる。


ヨネスケ調査

編集者が「ヨネスケ調査行ってきます」と言って席をたち、オフィスから出て行く。そう、突撃隣の晩御飯よろしく購読者の家を訪問しユーザーインタビューに向かったのだ。

雑誌の購読者=ユーザーの考えや行動を知るために家を訪ねることは、対象を理解する上でもっとも効果が高い。言葉だけでは伝わらない膨大な情報を家の至る所から得られるからだ。

引き出しや冷蔵庫の中までチェックし、気になる箇所をバシバシ写真に納めていた。これもエスノグラフィ行動観察時に欠かせない記録の仕方である。写真や動画にしておかないとメモだけでは観察者の主観が入る。


写真で想起と共有

そうして集めた写真を印刷し、デスクに並べて企画会議をしているシーン。ビジュアル想起法と言って、写真を刺激物として気持ちや五感を投影させ、対象者の理解を深める方法でもある。

そうしてユーザーたちの課題悩みを全員で共有し、解決策を見つけては雑誌に載せて行く。その姿勢はまさに課題発見とその解決というサービスデザインの進め方だった。


徹底したソリューション

そしてV字回復に一番の要因として紹介されたのは、毎号付録の1ヶ月分の献立カレンダーBOOK

ユーザーの恒常的な悩みである、献立を考え買い物リストを作るという課題に対し、季節に合わせた食材とその簡単レシピを紹介する、極めて合理的なソリューションである。

写真右のリストに沿って買い物をし(木曜に買い足しとかまさに我が家)、3ステップ以下でできる主菜と手間の少ない副菜2品まで作れば完璧な夕飯が出来上がる!

さすがにそこは30年レシピ雑誌を作ってきただけあって、編集者の選ぶ情報の質の高さが垣間見える。


このように、課題発見から解決策の提案までを徹底して実践していることがレタスクラブのV字回復を導いたのではないだろうか。サービスデザインの手法をやりきった上で、成果を出ている編集部の方々はすごいの一言。

最近夕飯をよく作るので、さっそく雑誌を買ってきた。今日は野菜たっぷり豚のしょうが焼きを作る。

それでは。



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