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近藤 [2008]への批判的注記

最初に言っておくが、私の近藤 [2008]への評価は否定的だ。最初に読んだときから、これは数学の哲学ではないと常々思ってきた。だが、未だに近藤は自分の書くものが数学をめぐっているということを譲っていない。私が本稿を書く理由には、この点での近藤の態度を挫いてやりたい、ということがある。ただし標的選びについては不安もある。近藤 [2008]はもはや古びた論文で、そこでの論点を近藤がなおも維持しようとは思っていないかもしれないからである。しかし、それ以外に私には選びようがないのだ。

    • 野矢 [1999]をいまどこまで批判できるか

      野矢茂樹 [1999]、『哲学・航海日誌』、春秋社。 2023/01/02 私が大学のゼミを決めた頃、この本は、さらには野矢さん(以下敬称略)は、自分が何かを書くときに、決して謎を謎めかさずに書くという模範を体現していた。奥先生は『無限論の教室』を評して「もっと簡潔に書けることを延々書いている」みたいなことを言って笑っていたけれど、『無限論の教室』が出された1998年に愚かな高校生だった自分にとって、あの文体はとても愛着のあるものだった。そして、文体・スタイルを受け入れるこ

      • Dennett [1982]を読む

        Daniel C. Dennett [1982], "Beyond Belief", rep. in Daniel C. Dennett [1987], The Intentional Stance, The MIT Press, pp. 117-202, with Addendum "Reflections: About Aboutness", in Dennett [1987], pp. 203-211.

        • 近藤 [2008]へのコメンタリー

          近藤和敬 [2008]、「数を数えることとはどういうことか―カヴァイエスの『超限順序と連続体』読解」、『現代思想』vol. 36-14(2008年11月号)、pp. 174-194。 2023/01/02 数学の哲学の問題は以下である。 ① 数は存在するか ② 数についてひとはいかにして知るのか ③ ①と②が答えるべき問題でないなら、それはなぜなのか p. 177上段 Cavaillès がプラトニズムを拒否するにしても、数学の展開との関連が理由になっている。数学の展開を

          グッドマン [2008]へのコメンタリー

          Nelson Goodman [1978], Ways of Worldmaking, Hackett Publishing Company. 邦訳 ネルソン・グッドマン [2008]、『世界制作の方法』(菅野盾樹訳)、ちくま学芸文庫。 私はいい男にホイホイついていく奴がキライである。何の話をしているかは明確だろう。ネルソン・グッドマンのことである。 2023/01/02 p. 15 ところでグッドマン自身は非実在論 irrealism とは何かを規定しているのか。

          グッドマン [2008]へのコメンタリー

          永井均について ver0.01

           私は永井均にわざわざ反論する気にはなかなかなれなかった。中学のときから名前だけなら知っていたし、大学一年のときであれば、大学図書館の蔵書の豊富さがうれしくて読んでいた気がする(『〈魂〉に対する態度』)けれど、自分がゼミに配属が決まったあたりでははっきり読んでいなかった。自然主義的な心の哲学への志向がはっきり定まってきた頃でもあり、そもそも独我論が正しいわけがないとも思っていました。だから、永井がいかに「過激な」ことを言おうと別に「またやってらあ」と思っているくらいがいいと思

          永井均について ver0.01

          ブログを書く上での心構えのようなもの

           ええと、たぶんここで書くものは、哲学に関することになると思うんです。とはいえ私は「哲学」って何なのか大して分かってはいないのだけれど。つまり、「哲学とは何か」という、メタ哲学に属する問いに答える用意は全然ないのだけれど。その問いに囚われずに哲学がいつのまにか始まってしまっていたというのが理想的だろう。  あと、哲学以外のことはあんまり書かないつもり。昔、自分の大学時代の下級生がブログを書いていて、美術館の展示とかラーメンズのネタとかの記事に混じって哲学の小ネタを挟んでくる

          ブログを書く上での心構えのようなもの

          Note始めてみます

           動機は、第一に自分の備忘録ですね。自分の感情とか、いろいろコントロールしなきゃいけないので、「このことは既に考えた」ってことでスルーできるための備忘録がほしいと思いました。だから、あんまり見る人のことは考えてないし、下手すると批判もあるかもしれないけど、あんまりそのことを重く捉えずに書き続けたいと思っています(今までブログが続いた試しがない)。

          Note始めてみます