【薬剤師解説】リポソームが1番?美容のビタミンCは医薬品とサプリどっち?
そのビタミンC実感ありますか?
はじめまして、薬剤師の宮本です。
今回は、「医薬品とサプリメントのビタミンCの違い」の内容を紹介します。
健康美容の業界で最初に注目されるのがビタミンCと言っても過言ではないと思います。
今回は、そんなビタミンCを取り入れる方法として医薬品とサプリメントの違いやここ最近出てきているビタミンCサプリメントの内容についても明らかにしていきます。
医薬品とサプリメントの違い
ビタミンC医薬品とビタミンCサプリメントそれぞれのメリット・デメリット
が分かります。
■医薬品とサプリメントの違い
ビタミンCに限らず、栄養素の成分を含んだ医薬品とサプリメントが存在します。
それぞれの違いを簡単にお伝えすると医薬品は効能効果が立証されているものサプリメントは食品扱いということです。
ビタミンCのはたらきとして言われているのが以下のようなものです。
【ビタミンCの用き】
コラーゲンをつくる
免疫力を高める
ステロイドホルモンをつくる
鉄の吸収を助ける
酵素のはたらきを助ける
メラニン色素をストップする
【不足するとおきやすい症状】
シワができやすい
傷が治りにくい
毛細血管がやぶれやすい·
感染症(風邪など)にかかりやすい
がんになりやすい
ストレスに弱くなる
貧血になりやすい
肝臓の解毒作用が低下する
色黒・シミ・ソバカスができやすい
皆さんもよく知っているようなものが並んでいると思います。
また、ビタミンCで表示されている効能効果には以下のものがあります。
ビタミンCの補給:肉体疲労時,妊娠・授乳期,病中病後の体力低下時,老年期。
諸症状の緩和:しみ,そばかす,日焼け・かぶれによる色素沈着。
出血予防:歯ぐきからの出血,鼻出血
これは医薬品であれば表記が可能なのですが、サプリメントでは表記することができません。
その理由は2つあります。
1つ目は、サプリメントは食品扱いだということです。
皆さんがスーパーで買い物に行ったとして、レモン1つにどれくらいビタミンCが入っているかを1つずつ気にしながら選んでいませんよね?
レモンの大きさや生育環境によって含まれているビタミンCの量は変わるはずです。
このように、サプリメントを作る際に用いた原料に含まれるビタミンCと、皆さんの手元にサプリメントになったビタミンCでは多少成分量に誤差が生じていることがあります。
つまり、サプリメントにしているうちに少しずつ量が減っている可能性があるということです。
サプリメントの表示されている成分量は、サプリメントを作る前の原材料に含まれるビタミンCの量が記載されていることが多く、実際はその分だけ含まれていないかもしれないのです。
それを防ぐために、サプリメントを販売している企業が工場の品質を保証してもらうために「GMP」と呼ばれる医薬品を作るような環境やルールで製品化している保証を取る場合もありますが、これは義務ではありません。
ここで言いたいのは、サプリメントは医薬品と異なり、消費期限までにその成分が含まれていることを保証する必要がないということです。
2つ目は、サプリメントの効能効果に関する試験をしていないということです。
皆さんは、食品に対して効能効果を期待して買うことがありますでしょうか?
最近では、タンパク質や特定の健康に良い油や栄養素を気にして選んでいるかもしれませんが、その効果を実感することを目的にはしていることは少ないと思います。
つまり、サプリメントにも効能効果を期待して摂取するものではないのです
あくまでも不足しがちな栄養を補うというのがサプリメントの一番の目的です。
そこに効能効果までつけてしまうと、それは法律上では医薬品になってしまいます。
食べ物1つずつに効能効果が書いてあったら、薬と同じってことですので、なんか選ぶのが大変になりそうですよね?
サプリメントは、医薬品と似たような錠剤やカプセルのような形をしていますが、効能効果の試験を国が主導で検査したわけではないので、効能効果は言えないのです。
以上のことから、皆さんがビタミンCだけでなく、特定の栄養素で言われている効能効果を期待したいのであれば、医薬品一択となります。
これが、医療従事者や美容系のyoutuberさんたちが主張している理由です。
しかし、そうは言っても医薬品のメリットもあればデメリットもあり、サプリメントのデメリットもあればメリットもあります。
次はそれぞれのメリット、デメリットをビタミンCに関連してお伝えしていきます。
■医薬品のビタミンCのメリットとデメリット
【メリット】
効能効果が立証されている
消費期限まで有効成分が保たれるように製造段階で多めに含まれている
【デメリット】
添加物が意外と多い
値段が少し割高
すでに紹介しましたが、医薬品は効能効果と品質が治療するために保証されていなければなりません。
そのため、厳しい検査を受けたもののみが販売されているという国からのブランドイメージがつきます。
しかし、成分表示を見ると意外と添加物が多いものがあるのも事実です
錠剤にするためには、砂糖や人工甘味料に関係する成分が含まれていたりします。
それ以外にもさまざまな添加物が含まれているため、医薬品の中でもできる限り添加物が少ないものを選ぶと良いでしょう。
■サプリメントのビタミンCのメリットとデメリット
【メリット】
手軽に栄養補給ができる
吸収するための工夫がされている
【デメリット】
効能効果や用法用量は書けない
l値段の差が大きい
消費期限まで成分が含まれている保証がない
サプリメントは食品ですので、あくまでも栄養補給を目的にしています。
そのため、効能効果や朝・昼・晩でそれぞれ何錠のような表記はできません。
また、値段も1万円以上するものから1000円以下のものまで幅広くあるため、購入する側の目利きが大切になっていきます。
高いものを買ったからといって、何かしら実感できないかもしれませんし
安くても実感ができれば良いと思います。
そして、最近ではビタミンCを体の中で維持する工夫として、成分を少しずつ放出する技術を使ったものもあります。
この技術は、既にいくつかの医薬品でも使われているものがあります。
これによってビタミンCを取り入れる回数を減らすことができる工夫です。
その中でも良く耳にするのが「リポソームビタミンC」や「パルミテートビタミンC」というものです。
リポソームビタミンCは、水溶性の性質を持つビタミンCをリポソームと呼ばれる油の膜でコーティングして、体内で油の膜の隙間から少しずつビタミンCを血液中で放出することで、長い時間ビタミンCの体内の量を保てるというものです。
また、ビタミンCを油でコーティングしたことで、体内により多くのビタミンCが入りやすい工夫がされています。
パルミテートビタミンCは、ビタミンCにパルミチン酸と呼ばれる油を一緒にくっつけたビタミンCで、こちらも油によって体内に入りやすい上に、血液中で少しずつパルミチン酸とビタミンCが分離していくので長時間体内で保てる仕組みになっています。
いずれも、油の性質を生かして吸収効率と利用効率を上げたものになります。
ここまで聞くと良いような気はしますが、先ほどから言ったようにあくまでも栄養補給のための工夫なので、効能効果は保証できません。
サプリメントの企業によっては、医薬品の品質管理と同程度を保証する証明を受けている場合や、学校の認証を受けていることで購入者に寄り添う工夫をされている場合もあります。
また、最近では栄養療法の普及もあり、医療機関専売品のサプリメントも存在しています。
そのサプリメントは、どちらかというと治療用なので、医薬品のように消費期限まで成分が残っている必要があるため、安心して使用することができますがその分だけ他のサプリメントよりも値段は高めです。
そのような企業が作っている治療用の内容を少し変更した一般向けのサプリメントも存在します。
同じ工場で作られていることが多いので、そういう企業のサプリメントを選ぶのもオススメです。
■まとめ
何かしら不調があるならば、医薬品のビタミンCまたは治療用のビタミンCサプリメント
日々の健康目的であれば、ビタミンCサプリメント
美容のためならば、医薬品のビタミンC
このような選び方が良いかなとまとめてみました。
参考にしていただければと思います。
医薬品とサプリメントでは法律上の意味合いや役割の違いがあります。
同じ成分であり、原材料もほとんど変わりません。
こうして価格にもかなりの差があると選ぶ上で大変ですが、成分表示を確認することが大切です。
もしも、特定のインフルエンサーが勧めているもので効果を実感できているのであればそれでも良いと思います。
または、推し活の1つとしてどうしても使いたいと割り切るのもありだと思います。