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徒然:午後のひととき

揺れる光が記憶を紡ぎ、窓辺の影が語りかける。
庭の息吹は言葉を持たず、ただ芽吹きの調べを奏でるのみ。
薄絹の風が髪を撫で、遠い声が春の予感に溶ける。

枯れた葉の奥、彼の足音を探すように、
静かな心が緑の波間を漂う。
ひび割れた時の器から零れるものは、
消えない温もり、そして微かな未来の灯。
午後のひととき、それは無言の詩で綴られる。

fin

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